塾長の考え(ショート 604)
5月初旬に実施された全統共通テスト模試、
この成績表が送られてきた。
予備校生にとって初めての試験。
全員の成績の詳細な分析はこれからだが、
土日の時間を使ってじっくりと…。
こうやってまた休みの日も仕事になる。
まあ…いいか。
予備校に入学してきた生徒たちにとって、
模試の成績表はとても気になるようだ。
いい結果が欲しい、
悪い結果は欲しくない。
今までの人生経験により、
成績が悪ければ…、
「叱られる」
と思い込んでいる生徒が多い。
何年間も「学生」をしてきた経験から、
そのように刷り込みされているようだ。
だが、
模擬試験の意義とはそうではない。
ここで北斗塾予備校としては、
どういうスタンスなのか?
模擬試験は「精密検査」の位置づけである。
「人間ドック」だと言っても良い。
模擬試験は結果がどうのこうのは、
本当のところはあまり意味がない。
個別指導をする予備校なので、
生徒それぞれの指導の急所はどこかを、
データとして採取したいのであり、
それ以上の意味は特にない。
成績表のおかげでいいデータが作れる。
生徒個人個人はみな学力も性格も、
それぞれであり、それがいい。
その各個人の状況に応じての個別指導が、
来春の大学入試の合格の可能性を高める。
例えばだが、
4月に入学してくる予備校生が、
5月に実施される模擬試験において、
早々と好成績を取る。
また予備校の講師もそれを大いに期待する。
高得点を取れると楽しみにする。
それって「異常である」。
どう考えてもおかしいことだ。
そう気づかないといけない。
生徒本人もその親御さんたちも。
4月から生徒を預かった予備校は、
①来年1月実施の「大学入試共通テスト」
②来年2月にある「私立大学の一般入試」
③来年2月にある「国立大学の2次試験」
これらで合格点を取るために、
4月から学習を開始して、
それぞれの学力を根本から構築し直して、
夏が終わるまでに入試基礎力を養成して、
9月から実戦的な問題に取り組み始め、
1段1段とレベルを上げていき、
目標とする大学の合格水準を超えるべく、
日々の鍛錬に励む。
そのプロセスにおいて、
9月、10月、11月、12月と、
模擬試験が3~4タイプくらい実施され、
その結果でまた各自の課題を発見し、
指導者側は攻略法を作り上げて、
各生徒に「対策」として実行させる。
そうやってコツコツと弱点補強を続ける。
その繰り返しの頻度と、
ターゲット設定の精度が上がれば上がるほど、
確実に失点が減ってくる。
結果的に模試の判定も上がってくる。
このプロセスの中で、
学習指導のみならずメンタルサポートも、
適切に丁寧に実行できた場合に、
予備校生の学習の生産性が高まり、
最終的に本番での得点に結びつくのだ。
今回の成績表には、
各生徒の実力アップの「ヒント」が、
あちらこちらに散りばめられている。
それらを絶対に見逃さない。
(続く)