塾長の考え(電子書籍で出版)
塾内で連日テスト対策の指導が続く。
塾での指導は中間テスト一色である。
当然だがテスト範囲の内容を「すべて」、
とは言わないがチェックする。
何の問題が出来て何が出来ていないか。
各生徒はテスト範囲の問題を解き、
担当講師に報告を上げる。
次から次へと報告の山ができる。
それを逐一確認していく作業が続く。
「よくわかりません」
という問題が数学で上がってくる。
その問題の指導に講師があたる。
理解できたレベルまで行けば、
当然ながら再度同じ問題を解く。
これで解ければ「仮合格」。
次の塾の日ではその問題に再チャレンジ。
それでほとんどの生徒は解けるようになる。
元々塾の教材ですでに学習は終わっている。
学校の教材に転換したところで、
ほとんどの問題はできる。
それでも時々間違う問題が出てくる。
その問題だけを集めて繰り返す。
テストの全範囲を2回も3回も繰り返す、
そんなことはしない。
(膨大な時間がかかるしムダ)
平均点数85点以上は普通に取れる。
それが「中間テスト」である。
90点以上取ることが望ましいが、
高校生で平均点数がそうなる生徒は、
かなり自立心が育っている。
中学生の場合はどうか?
「GWはほとんど勉強していません」
「それでも1日平均はどうなの?」
「…1時間…、いや30分かな…」
「おお、それは少なすぎじゃないの?」
「…ですね…」
こんなやり取りをする生徒でも、
大宮高校普通科の合否判定(4月)は、
AA判定。
宮崎西高校普通科もAA判定。
これが結果である。
その生徒は小6の頃から塾に来ている。
ずっと継続しているから、
成績の基準は上がり続けて、
AA判定であっても不満顔。
それでいて部活を理由に、
なかなか「自立型」にならない。
部活動をして塾に来るだけ、
それが限界。
担当講師が根気よくやってきたはずだが、
今でも自立度は4級程度。
それでも県立高校の普通科ならAA判定。
これが塾を継続することによって実現。
よって、
中学生は「自立型」の人間には程遠く、
4級程度でもAA判定。
これが宮崎県の現実である。
「県立高校100%合格!」
そう言ってもあまり大したことではない。
どこかの塾に行っていれば、
県立高校であれば全員合格しても、
まったく不思議ではない。
ところが、
「県立高校100%合格!」
を自慢げに誇る塾であっても、
そこの塾の高校生や浪人生が、
「第1志望大学に全員不合格」
なんてことも現実にあったりする。
これはいったいどういうことか?
この意味を親御さんたちはよくよくと、
考えなければならない。
高校生を指導しない塾は論外だが、
高校生を指導している塾であれば、
昨年度の大学受験の結果、
「第1志望大学の合否はどうでしたか?」
と一言聞いてみればよい。
高校受験では判別できなかった事実が、
明らかになるかもしれない。
高校生の指導はレベルがまるで違うのだ。
(続く)