塾長の考え(塾)その2
新高校1年生のMちゃん。
中学生のときは部活をとても頑張った。
ご両親はお医者さん。
その影響もあってか将来の夢は、
「お医者さんになること」
中学生時代の毎日の勉強時間は、
1時間のときもあれば15分のときも。
0もあれば3時間くらいのときも。
多かったり少なかったり。
それでも志望する高校となれば、
県内最高峰のレベルの学科。
「ここに受かる生徒は毎日4時間勉強」
そのくらいの努力が必要だよと、
当時は私も言っていた。
もちろん部活動から引退した後での話。
部活動で得られた体力と精神力を土台に、
高校受験までがんばらないとね、と。
もちろん勉強に大切な要素は、
勉強時間の「量(多さ)」だけではない。
勉強時間の「質(内容)」も同様に大切。
ただし、
生徒がこだわるべき要素は「量」だ。
量には客観性がある。
多いか少ないかは誰でもわかる。
受験のプロでない生徒が自分の勉強の、
「質」にこだわろうとしても、
生徒本人が「質」の良し悪しを正確に、
判断することは難しい。
本人の経験値が圧倒的に低いし、
受験に関しての情報量も少ない。
何が「より正しい勉強か」を判断する、
その力が脆弱(ぜいじゃく)だからだ。
例としては、
「高校から出される日々の課題をする」
この行為だけでどこの大学の学部でも、
「(きっと)合格できるんだよね!」
と誤解している高校生がたくさんいる。
それは…あり得ない。
高校はそもそも義務教育ではない。
授業のカリキュラムはどこの高校も、
学科が普通科ならばほぼ同じだろう。
しかし学科が違えば指導内容は変わる。
生活科と普通科の学習内容が違うように、
普通科と理数科では違う。
特に宮崎県の場合は他県と違って、
「理数科」は普通科の上位概念のクラス。
やろうとしている学習内容が他より高度。
それでも学校だから内容に限界がある。
大学受験合格という観点から見れば、だ。
全国レベルで言えば、
国公立大学の東大や京大合格のために、
十分な内容かというとそうではない。
ただし地方大学の医学部医学科となると、
十分に対応できる内容だと考えられる。
だが、
学校のカリキュラムが優秀でも、
生徒の皆がそれを十分に吸収できる、
それだけの学力をキープできるか、
それは別の問題であり、
その部分で効果的な手段の1つが塾だ。
「塾長、わたし、部活は入りません」
「え、何で? 」
「勉強するのに負担がかかるからです」
「親と話し合って、結論そうなったの?」
「はい」
「う~ん…それでいいの?」
「はい」
部活動はどこかに入るって言っていたのに。
「医学部合格」のためにあきらめるのか…。
その意気込みは大いに良しであり、
覚悟が決まった分、精神的にも成長した、
そう思えるが、
私の信条は「文武両道こそ最強」。
部活動はしてほしかったな…。
勉強だけがすべてではない。
部活動からしか学べない大事なこともある。
(続く)