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塾長の考え(私大医学部受験)⑫

一木康広

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テーマ:塾長の考え

アリとキリギリス
過去の「つまづき」を消せるか。



もっと早くから塾にいてくれたら…。

目の前にいる塾生に対して、

そう思うことはよくある。

「せめて中学1年生のときから…」

そう思うこともよくある。

しかしながら、

現実的に目の前にいる生徒は、

最近入ってきた高校3年生だったりする。

「今年は受験生だから(頑張るぞ!)」

そういう感じで入塾してくるが、

だんだんと現実がわかって焦ってくる。

「何でもっと早く来なかったのか…」

生徒自身も何度もそう思うようだ。

イソップ童話の「アリとキリギリス」。

その中の教訓を思い出す。

冬に備えて夏にがんばったアリ。

夏の間は自分のやりたいことをした、

キリギリス。

一生をどうやって生きていきたいのか?

そう考えればアリの生き方もあるし、

キリギリスのように「今を楽しむ」、

その生き方も否定はできないかも。

だけれども、

「大学受験では合格したいんだよ!」

「中学受験ではできれば上位中学!」

「高校受験では県内トップレベルに!」

…。

いざそのときが来たら、

慌てないといけない状況なのはどうか?

いざそのときが来たら、

「なるべくレベルが高い学校を!」

そんな希望を突然持つ生徒が多い。

結局のところそうなるんだったら、

なぜもっと前から準備しなかったのか?

なぜもっと早く手を打たなかったのか?

なぜ直前まで現実から逃げていたのか?

なぜ直前まで現実から目を背け続けたのか?

思うように成績が上がってこないのに、

なぜ今通う塾がベストだと信じていたのか?

いろいろ指導側から思うことはあるが、

それが人間というものなのだろう。

そう考えて自分を落ち着かせる…。

自分もそういうところがたくさんある。

だから本当は生徒に対して、

偉そうなことは言えない。



さてHKちゃんであるが、

毎日黙々と学習が進む。

昨日もその前も中学生の問題だったが、

それも数日以内にすべて終わりそうだ。

それが終われば次の段階に行ける。

つまり「高校生の学習」である。

高校生の学習に入ると次元が上がる。

レベル感が中学生の内容と比べて、

まるで違う。

生徒たちもそれを実感するわけだが、

それでも高校1年生の授業内容は、

学校の授業で大体はレベル1~3程度。

それを完全理解していても、

国公立大学の標準レベルには及ばない。

レベル4からが国公立大学に対して、

ようやく合格できる最低レベル。

私大医学部合格にはレベル5の問題が、

ほぼ解けるようでないと困る。

それにプラスして各大学に特有な問題、

それに対しての独特な訓練も必要。

各私立大学の問題傾向はまるで違う。

その私立大学に特化した指導も必要。

対策を地元の高校に期待しても、

簡単に出来るものではない。

教科書をしっかりと授業するだけでも、

膨大な時間が経過する。

学校の授業に全てを頼るわけには、

いかないのが大学受験の勉強。

この事実を少しでも早く知ってほしい。



(続く)

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一木康広
専門家

一木康広(塾講師)

株式会社北斗塾

生徒の学力と性格に応じて指導を変化させること。成績向上に必要な要素(①知識定着の確認②解法のための技術指導③やる気の発生・向上・継続のサポート④学習に最適な環境の整備)を提供し、学力向上へと導くこと。

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