塾長の考え(集団授業の落とし穴)②
過去の「つまづき」を消せるか。
もっと早くから塾にいてくれたら…。
目の前にいる塾生に対して、
そう思うことはよくある。
「せめて中学1年生のときから…」
そう思うこともよくある。
しかしながら、
現実的に目の前にいる生徒は、
最近入ってきた高校3年生だったりする。
「今年は受験生だから(頑張るぞ!)」
そういう感じで入塾してくるが、
だんだんと現実がわかって焦ってくる。
「何でもっと早く来なかったのか…」
生徒自身も何度もそう思うようだ。
イソップ童話の「アリとキリギリス」。
その中の教訓を思い出す。
冬に備えて夏にがんばったアリ。
夏の間は自分のやりたいことをした、
キリギリス。
一生をどうやって生きていきたいのか?
そう考えればアリの生き方もあるし、
キリギリスのように「今を楽しむ」、
その生き方も否定はできないかも。
だけれども、
「大学受験では合格したいんだよ!」
「中学受験ではできれば上位中学!」
「高校受験では県内トップレベルに!」
…。
いざそのときが来たら、
慌てないといけない状況なのはどうか?
いざそのときが来たら、
「なるべくレベルが高い学校を!」
そんな希望を突然持つ生徒が多い。
結局のところそうなるんだったら、
なぜもっと前から準備しなかったのか?
なぜもっと早く手を打たなかったのか?
なぜ直前まで現実から逃げていたのか?
なぜ直前まで現実から目を背け続けたのか?
思うように成績が上がってこないのに、
なぜ今通う塾がベストだと信じていたのか?
いろいろ指導側から思うことはあるが、
それが人間というものなのだろう。
そう考えて自分を落ち着かせる…。
自分もそういうところがたくさんある。
だから本当は生徒に対して、
偉そうなことは言えない。
さてHKちゃんであるが、
毎日黙々と学習が進む。
昨日もその前も中学生の問題だったが、
それも数日以内にすべて終わりそうだ。
それが終われば次の段階に行ける。
つまり「高校生の学習」である。
高校生の学習に入ると次元が上がる。
レベル感が中学生の内容と比べて、
まるで違う。
生徒たちもそれを実感するわけだが、
それでも高校1年生の授業内容は、
学校の授業で大体はレベル1~3程度。
それを完全理解していても、
国公立大学の標準レベルには及ばない。
レベル4からが国公立大学に対して、
ようやく合格できる最低レベル。
私大医学部合格にはレベル5の問題が、
ほぼ解けるようでないと困る。
それにプラスして各大学に特有な問題、
それに対しての独特な訓練も必要。
各私立大学の問題傾向はまるで違う。
その私立大学に特化した指導も必要。
対策を地元の高校に期待しても、
簡単に出来るものではない。
教科書をしっかりと授業するだけでも、
膨大な時間が経過する。
学校の授業に全てを頼るわけには、
いかないのが大学受験の勉強。
この事実を少しでも早く知ってほしい。
(続く)