塾長の考え(全統記述模試)前編
5月の連休中に模試がある。
予備校生にとって毎年恒例の模試。
第1回全統共通テスト模試。
これは大手予備校の河合塾が主催。
毎年河合塾予備校にはお世話になる。
この模試のおかげで、
予備校生の基礎学力の一端がわかる。
現在はまだ中学生の内容をしている、
そんな状態の予備校生にとっては、
この模試のレベル感はきついけれど、
それでも受験することによって、
解けない問題のデータが手に入る。
指導者側としてはこれが大きい。
個別指導に生かせるからだ。
今現在、
中学生の内容を学習している予備校生、
彼らにとって今回の模試の中で、
成果を実感するのは…、
いったいどの教科か?
それはおそらくは国語である。
かつて予備校に入学した生徒の中には、
国語が苦手な生徒がいつも多くいた。
200点満点の国語において、
100~110点がやっと。
場合によっては80~90点。
そのように点数が半分に満たない、
そういう生徒も中にはいる。
だから、
そういう生徒が今現在は小学生の国語を、
朝から何時間も勉強している。
当然ながらまだ中学生の内容に、
進めていなかったりもする。
そういう生徒たちの中から、
「塾長、140点取れました!」
などといった非常識な結果を出した、
そんな生徒もこの模試で出てくる。
いったいなぜこんなことが起きるのか。
それが小学生の国語の学習の、
知られざる効果なのだ。
現役高校生の時代において、
総合的には定期テストであれば、
学年上位の成績を出していた生徒でも、
理系の生徒だというだけで、
国語を苦手にしている場合がある。
高校生になってから、
いくらまじめに学習を積み重ねても、
小学生のときや中学生のときに、
十分に学習していなかったならば、
その後遺症はずっと続いている。
だけれども、
生徒本人は懸命にがんばっている。
学校の宿題や課題もこなすし、
学校の小テストもがんばって、
毎回合格していく。
それでも国語の点数は上がってみたり、
下がってみたりで安定はしない。
「波があるんですよ」
という表現をよく使う。
実力があれば波は起きないのだが…。
生徒本人の頭は良くても、
大学受験で浪人しているのに、
小学生の国語を学習するという発想は、
まず起きるものではない。
小学生当時はまだ意識が低くて、
将来的に難関大や難関学部を受験する、
そんなことは想像していないから、
日々の学習は甘いし、
大事なことは結構な割合で抜けている。
親御さんたちも、
「高校卒業したのだから…」
わが子に対してそういう思いがあるので、
小学生や中学生の国語ができないことを、
今さらだけれど知ると誰もが驚いている。
(続く)