塾長の考え(失敗とは何か?)④
「体が思うように動かないんです」
そんな状態であることを、
面談のときに知らされて、
それから始まった塾での日々。
北斗塾の通信制高校に転校してきても、
抱えた病気のせいで思う通りにできない。
思う通りに勉強できない。
そんな毎日が続いたよね。
「本当にご迷惑をおかけします」
そう言って、
何度も何度も頭を下げるご両親だった。
朝起きたくても起きることができない、
そのもどかしさ。
トイレに行くにも、
這っていかなければいけない状態。
そんな辛い状況を、
親御さんたちも涙しながら耐えていたよね。
ようやく体が回復してきて、
朝からまともに勉強ができるようになった。
たったそれだけでもご両親は喜んでいたね。
そうなるまで約1年近く。
朝起きられるようになった喜びも、
塾で皆と勉強ができる喜びも、
テストで点数が取れない悔しさも、
2年目には味わえてよかったね。
「受験をできただけでも良かったんです」
と言っていた母親。
「まさか合格するなんて…」
と驚いてくれた父親。
合格の知らせを聞いたあの電話のときに、
家族が一体となって本当につらい時期を、
見事に乗り越えたんだなと思いました。
そこに塾長として関われたこと、
または塾講師として関われたこと、
良い思い出となりました。
親、子ども、塾。
三位一体で頑張れたこと誇りに思います。
おめでとう、Sくん。
この大学で大いに飛躍してください。
今の君にはそれだけの確かな学力がある。
これからも健康には十分気を付けて…。