塾長の考え(期末テスト)⑰
その生徒は素直な性格だった。
だいたい指導者の言う通りに勉強できるのならば、
最低でもそれまで以上に成果は上がる。
ましてや、毎日通塾する、という非常手段をとっている。
成果が上がって当然という状況だ。
その生徒も自分のペースで学習できることでジワジワと成績が上がっていった。
1年間が過ぎたころには偏差値が62.5(進研模試調べ)まで上がっていた。
地元の大学の医学部医学科であれば偏差値65以上になった時点で勝負になる。
(確実を狙うなら偏差値70だけれども)
「地元国立大でいいから医学部医学科でお願いしますよ!」
そういう親御さんの希望通りに指導をしていき、
またその生徒が出す結果もだんだんとそうなってきていた。
すべては順調だった。
「これこそが自立型個別指導の優秀さだよ」
私は気分が良かった。
狙って結果を出すことができる指導をしている充実感。
実際に出てくる結果による満足感。
再現性がある学習方法と指導方法を実現できている自塾の環境。
「いや~、先生お見事、お見事!」
やや大げさに喜んでくれる親御さん。
(それがまた個人的には嬉しかったのだが…)
ところがここで邪魔が入ることになった。
「成績が順調に上がっていくとこんなこともあるのか!」
この時は…、いや、訂正する。
「この時も」だ、と。
邪魔をしてきた相手はなんと…。
(続く)