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新築注文住宅の打ち合わせに疲れた時、家づくりで試したい3つの事

2023年3月6日

テーマ:マイホーム計画

コラムカテゴリ:住宅・建物

せっかく家を買うなら新築!それも注文住宅で素敵なマイホームを実現したい!!
善は急げと早速ハウスメーカーと打ち合わせを重ねるものの思い通りに家づくりが進まず、楽しいはずの新築計画にもう疲れた‥‥
こんな悩みに陥る方は残念ながら少なくありません。
新築注文住宅の家づくりとなればある程度の時間を費やしながら打ち合わせを重ねる事になるでしょう。
その打ち合わせが重なるほどに、マイホームの夢に近づく家づくりの楽しさよりも疲れた気分が増してくる。
一体新築の家づくりの何に疲れたのか?

  • 住宅ローンの返済や将来何か起きたらと考えると不安で集中できない
  • 何度打ち合わせしても間取りがうまくいかない。いい加減疲れた
  • 色々ハウスメーカーの話を聞けば聞く程、訳が分からなくなってきた

疲れの原因は多くの方がこんな悩みに行き着くのではないでしょうか。
この悩みが解決されないまま打ち合わせを重ねていっても疲れは増すばかりでしょう。
何よりも疲れた気分では冷静な判断は下せませんし、だいいちせっかく理想を叶えたい新築注文住宅の家づくりが楽しくないのは残念です。
今回は新築注文住宅の打ち合わせに疲れた時、家づくりで試したい3つの事についてお話しいたします。


・急がば回れが家づくりに疲れた気分の解決策

ハウスメーカー選び
まず始めに結論から述べます。
今現在、新築計画の打ち合わせに疲れた状態で家づくりに臨んでいる皆さん。
その状態で打ち合わせを重ねたとしても、どこかでその疲れた気分が解消される見通しは暗いでしょう。
何故か?
理由は、その疲れの元となっている悩みや課題の解消を目指すものの、解決すべき核心に家づくりの打ち合わせテーマが及んでいない可能性が考えられるからです。
つまり検討の主題が根本的な悩みや課題の解決テーマに向けるべきところが、その実は対処療法的なものにとどまり、結果的に中々根治には至らないというロジックです。
そうした場合、打ち合わせを重ねども解決には至らず、その苛立ちや不安から疲れだけが増してくるという状態に陥ります。
そもそも住宅購入は大きな決断を求められる場面に幾度となく直面します。
更にはそれが新築注文住宅での家づくりであった場合、打ち合わせのテーマも頻度も多岐にわたる事は必然と考えなければなりません。
何しろ、同じ新築でもマンションや建売住宅、はたまた中古住宅でのマイホーム計画とは異なり、注文住宅は完成品の現物を観察し比較する事は叶わず、それを補う為の打ち合わせを加算しなければならないのですから。
別な見方をすれば、打ち合わせのテーマが多岐に亘る分、悩みや課題が勃発する頻度も増す可能性があるという事です。
まずは予防が大切なのですが、問題はその様な状態に陥った事後の対処法です。
私も住宅購入コンサルティングのご相談を承る際、「もう家づくりに疲れたんです」という状態での出会いの場面は珍しくありません。
ハウスメーカーとの打ち合わせに行き詰まり、解決を求めてのご相談というシチュエーションです。
そんな流れで、住宅コンサルタントである私の解決策は「急がば回れ」これに尽きます。
その悩みの元になっているテーマの起点に戻ってもう一度組み立てし直すのです。
「また振り出しから打ち合わせを重ねるの‥‥」
疲れがドッと出てしまいますか?
でも心配なさらないで下さい。
多くの場合の起点からの整理が不十分な状態のまま、以後の「打ち合わせ」「検討」が重ねられた事によって、解決に至らないばかりか新たな悩み事が次々浮上し、混乱に拍車を掛けている状態と考えられます。
そこを丁寧に整理し直す事で見違えるように改善がなされれば、正に「急がば回れ」でその後の展開はスムーズな家づくりの流れが期待できるでしょう。
ここからは先にも挙げた「疲れ」の元になる各課題整理の具体的ポイントについて考えてみます。

・新築後の色々な不安事が頭をめぐる

疑問を相談
マイホームの購入は「一生一度の買い物」とも例えられる様に、失敗したからといって何度もやり直しは効きません。
且つ、その対価は殆どの方にとってひとつの購入物としては人生最大の負担額です。
慎重にならないはずがありません。

「住宅ローン返済の額が大きすぎはしないか?」
「住宅購入して将来的に何か起きたらどうしよう」
「このままアパート暮らしの方が気楽だし安心?」
「本当に新築が良いの?中古住宅の方が安いし」
「転勤になったらこの家はどうする?」

慎重になればなるほど、こんな悩みや不安が頭をめぐってしまうものです。
そうした不安が解決されないままなのにハウスメーカーとの打ち合わせだけは土地探し、間取りづくりと進んでいったとしたらどうでしょう?
その悩みは良い土地に巡り合ったとしても、素敵な間取り案が出来上がったとしても晴れる事はないのではありませんか?
今直面している打ち合わせのテーマに集中すべきなのに、それとは全く関係ない心配事が常に頭の中にモヤモヤしている‥‥。
そんな状態が続けば家づくりに疲れてしまうのも無理はありませんし、だいいち本来議論を尽くすべき新築注文住宅の完成度にも影響するでしょう。
そんな時こそ「急がば回れ」です。
ハウスメーカーの営業マンに促されるまま、良い土地情報を早く見つけようと焦るままに慌てて歩を進めるのでは無く、そのモヤモヤしている悩みや不安を先に解決してしまいましょう。
ここで多くの場合役に立つのがライフプランニング!
そこから先の人生設計、家計設計を点検するのです。
というのも、今抱えているモヤモヤの原因はライフプランニングで取り上げるテーマのいずれかのパートに属している可能性が大いに考えられるからです。
「でもライフプランニング って何をするの?」
一口に要約するならば「一生涯の家計上の課題を整理する作業」とも言えましょう。
ライフプランニングについてはこちらのブログ記事で詳しく取り上げておりますので併せてご覧ください。
住宅購入の不安解決にはライフプランニング相談が欠かせない訳
これにより住宅購入に限らず皆さんの将来に起きる可能性のある課題を予め知り、対策を打つ事が出来ます。
勿論この過程で住宅ローン返済を含む、頭を悩ませていた諸問題も解決されるでしょう。
「早く決断しないと他の人に土地を決められてしまいますよ」
「今月中に契約頂かないと特別価格は適用できません」
営業マンのこんな急かしに心を乱されず、足元の固め直しが肝心ではないでしょうか。

・間取りが納得いかない

設計
新築注文住宅はオーダーメードの住まいです。
皆さんこだわりをタップリと注ぎ込む家づくりに期待が膨らむ事でしょう。
ところが何度打ち合わせを重ねても、何度間取りを描き直してもらっても納得いく間取りには程遠い‥。
「せっかく注文住宅で新築するのに、よく見る建売住宅みたい」
提案間取りがどうしても納得いかなくて何度も何度もやり直し。
期待外れの打ち合わせが何度となく続く内に失望と疲れが蓄積していく‥。
これもまたありがちな話です。
こうした話を傍に聞けば当たり前に「設計士やハウスメーカーの技量の問題」と結論づけたくなるでしょう。
確かにその可能性は否めません。
肝心の設計士に気の利いた間取りを企画する技量が備わらなければ、いくら打ち合わせを重ねようとも間取りづくりが難航するのは明らかです。
しかしながら、一見すると一定の技量を持つ設計士でありながらどうしても納得いく間取り案にたどり着けないというケースも珍しくはないのです。
何故なのでしょうか?
その一因が多くのハウスメーカーに見られる「ヒアリングを起点とする間取り図作成」のプロセスにあります。

ヒアリング起点の間取り図作成とは?

昨今、厳しい新築住宅市場の環境を背景に各ハウスメーカーがしのぎを削っており、その競い合いの中で「他社差別化」の一手として商談過程の早い段階から設計士を打ち合わせに参加させ、お客様からの「ヒアリング」を徹底しようという施策を採る社が目につきます。
「お客様の希望を何でも投げ掛けて下さい!」
というお客様の意向に寄り添う姿勢が、
「なるほど親切そうな会社で期待出来そうだ!」
という好評価に結びつく事を期待しての策であり、またそうした打ち合わせ手順を踏む事が一番希望通りの間取り案に近づく手段であるという考え方です。
しかし・・・・・・
この作成プロセスは、間取りの完成度を高めるどころか、往往にしてなんと全く逆作用に陥ってしまうのです。
「なんで?いっぱい要望を聞いてくれるのに」
と、不思議に感じる事でしょう。
勿論「お客様に寄り添う姿勢」それ自体は評価すべき事です。
問題は「ヒアリングの徹底」にあります。

何故ヒアリングを起点にした間取りは物足りない?

この場合のヒアリングは建主への細かなインタビューがなされます。
「リビングは何帖?寝室は何帖?家具は?好みの色は?・・・」
打ち合わせを徹底しようとすればする程、その中身は細部に至り数多く質問が投げ掛けられます。
さて、そのヒアリングした情報は何に用いられるでしょうか?
言うまでもなく間取りづくりのデータとしてです。
というよりも、建主の直言ですから前提条件になると言った方が正しいでしょう。
しかしながらそうした質問のひとつひとつに、皆さんはどのくらい明確に自らの考えを整理し返答する事が出来ますか?
寧ろそうしたやり取りで交わされた答えには

  • 重要度の高い要望
  • タラレバの希望
  • 即答に至らぬ迷いを含む返答
  • 合理的とは言えない思い込み

これらが混在するのではないでしょうか?
当然矛盾する要素が並ぶ事もおきるでしょう。
そして設計士は、受注を得るには積み重なった前提条件に適う間取りを作り上げねばなりません。
もはやこの状態では設計士は山盛りになったそれらを間取り案の中に消化する事で精一杯。
オバーフロー状態で、プロならではの知見を活かした提案を盛り込める隙間は殆ど残されていない。
これでは気の利いた間取りの完成など容易な事ではありません。
「あなたの希望を全て取り込みました!!」
と提示された間取り案はヒアリングで交わした事柄を総花的にかい摘んだだけ‥
そもそも知識の乏しいお客任せの案に高い完成度は期待出来ようはずもなく、当然の事ながら物足りなさを感じる。
不足を埋める為に更に新たな要望が加えられる。
改善を図る為に再作成して再打ち合わせ‥‥
こんな負のループに陥ってしまえば「疲れた」となるのは無理もありません。

理想的な間取り打ち合わせとは?

それではどうすれば良かったのでしょうか?
若しくはどうすればその状態から抜け出せるのでしょうか?
一度、それまで交わした要望を全てリセットして、皆さんがどうしても叶えたいもののみを、優先順位をつけてリクエストし直してみてください。
そして面前の設計士に、あなたなら何を重視すべき設計士の考えを尋ねます。
そしてその根拠を明示してもらいます。
つまり、設計士主導の新築注文住宅案を示してもらうのです。
この辺りの手順は下のブログ記事で詳しく取り上げてますので併せてご覧ください。
希望を沢山伝えたのに間取りづくりがうまくいかないのはなぜ?
今までとは全く違ったアプローチの間取り案はそこまでのモヤモヤを吹き飛ばしてくれるかもしれません。
反対に「より一層イマイチな間取りになっちゃった」
これはもうお手上げです。
その相談先に早く見切りをつけ、次を探すべきサインにもなりますね。
ここも急がば回れです。

・どのハウスメーカーか決められない

契約
新築計画もおおづめになってきますと最終的にどこか1社のハウスメーカーに絞らねばなりません。
でも、果たしてどの会社が一番良いのか?
どのハウスメーカーかを決められず、迷いに迷ってしまう‥‥
各社の話を聞けば聞く程に訳が分からなくなってしまう‥‥
なにしろ新築注文住宅の家づくりの性格上、現物である完成品を観察し比較する事は叶わず、これを打ち合わせのやり取りで察知するしかない点は冒頭にも述べました。
新築注文住宅での家づくり最大の難しさがここにあります。
とは言っても何とかしてベストな1社を探し出し失敗や後悔だけは残したくはありません。
そんなプレッシャーを感じながら気になるハウスメーカーを何社も調べ上げ、打ち合わせを重ねている内に
「もう打ち合わせも何もかも疲れた!」
こんな状態に陥る方は実に多いのです。
ではこんな時にどうすれば悩みが解決できるのか?
間違いのない新築計画を実現する1社を選びだせるのか?
実はこれを専門的に助言するとなると一言では言い表せない大変なテーマなのですが、今回は簡潔に真っ先に試してみたいたった1の事をご紹介してみたいと思います。

   

同じ質問をする

その方法とは検討対象に挙げた複数社の営業マンと打ち合わせの際、同じ質問を投げ掛けるのです。
何故それが有効か?
各社の話を聞いている内に、訳が分からなくなってしまっている方の「疲れ」の原因は、直接的には「情報」の混乱にあると言えるのではないでしょうか。
多くの方々にとって住宅購入は初めての経験です。
その経験不足を補うためにネット情報や営業マン等を通じ情報収集を積極的に試みるでしょう。
そうする事で大量の情報を集める所まではそう難しくありませんが、問題はそこからです。
通常その様な過程で集まった情報は家づくりに価値あるものばかりでは無く、寧ろ相矛盾する話、真偽不明な話、錯誤の話、「特別」を装った価値の低い話、が多く混在しているはずです。
当然のことながら、それらの整理が不十分なまま判断の材料としようと試みれば、混乱は避けられませんね。
この解消が目的になります。
そして次はその手順です。
ここで始めに新築の際の情報収集先の代表格として考えられる「ネット情報」と「営業マン」から集めた情報の特性について整理しておきます。
まず、ネット情報に関しては手軽さの反面、発信された内容は一方通行、且つ発信者の専門性が不明な為、情報の質を見極める難しさがネックとなりますが、それを見極める為には経験値を要すると言う相矛盾する状態に陥ります。
その点で営業マンから発信される情報は

  • 一定の専門性を有しているであろう期待
  • 双方向でのやり取りによる確認作業が可能

である事から、ネット情報と比較し精度選別の機会が設けやすく整理された情報を揃えるには優位と考えられます。
但し注意すべき点もあります。
それは皆さんお察しの通りセールストークです。
営業マン自身が伝えたい内容は当然自社に有利な内容に情報が偏る事は避けられないでしょう。
しかしながら、それをそのまま受け入れてしまいますと、そのハウスメーカーの客観的な評価が難しくなるだけでは無く、各社話題のテーマが散在し収拾が付かなくなってしまう事が起こりがちです。
「もう誰の言う事を信用したら良いか?疲れた‥」
冷静な判断が下せない環境下でのハウスメーカー選びでは誤った判断を下してしまう可能性も増してしまいます。
この対策が各営業マンと打ち合わせの際、同じ質問を投げ掛けるという方法です。
各営業マン氏任せのランダムな話題設定とならぬ様に、こちら側からテーマを決め、各営業マンに同じ質問、同じ事項の説明をしてもらうのです。
出来るだけシンプルな質問を予め彼らとの打ち合わせ前に数問準備します。例えば

「御社の一番のセールスポイントを1つ教えてください」
「資金計画の立て方を2分程度で解説してください」
「土地を選ぶ際、特に大事な事を1つ挙げるとしたら何?」
「間取りの作り方と注意点を簡潔に教えてください」

同じ質問を検討しているハウスメーカーの営業マンに等しく問いかけるのです。
そうする事で同じテーマに対する回答が容易に比較可能となります。
家づくりに対する考え方、技能は勿論、「1つでは言い表せません!!」などと言う受け答えでは、これから新築注文住宅を任せるに相応しいコミュニケーションを図るには不安がありますよね。
それら比較が容易になるはずです。
そして、この段階では知りたい全てを尋ねる必要は無く、気になるいくつかの設問だけに止め、好感触を得たハウスメーカーだけに後日今度はさらに詳しい話を聞きに行けば良いのです。
如何ですか?
これなら営業マンのペースに翻弄されずにどのハウスメーカーに決めるべきか冷静な判断ができるのではないでしょうか。

・新築注文住宅の打ち合わせに疲れた時のまとめ


ここまで新築注文住宅の打ち合わせに疲れた時に試したい3つの事について解説してまいりました。
多くの方にとって家づくりは経験値が乏しく、且つ必ず成功に結びつけなければならないプレッシャーの中で、悩みや課題が浮上すると、解決をみるまでその事柄に対する議論を集中させがちです。
しかしながら、ここまで挙げてきた通り、その解決すべきポイントはその悩みや課題そのものでは無く、もっと遡った付近にコアとなる要素があるケースが多いのです。
ここを手当てせずに、表面的な課題をテーマとしていくら打ち合わせを重ねても中々解決や納得には至らず、そんな家づくりに疲れだけが蓄積する‥‥
そんな過程と試すべき対策がご理解頂けたでしょうか?
様々なマイホーム計画の中でも、特に新築注文住宅の家づくりは冷静な判断がその成否の鍵を握ります。
その為には焦らず、時には急がば回れの気持ちで着実な打ち合わせと検討作業を求めて行きたいですね。
ご不安な方は、是非とも住宅購入コンサルタントのサポートもご検討してみては如何でしょうか。
住宅コンサルタント活用のメリットについては下の記事を参考にして頂ければ幸いです。
住宅コンサルタントに家づくりを相談するメリットはコレ!


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公式ホームページには家づくりのヒントを多数揃えております。
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この記事を書いたプロ

栗山琢磨

満足が続く家づくりと家計設計相談のプロ

栗山琢磨(パートナーズライフプランニング)

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