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新聞を読み解く【Part13】「相続遺言で守る、家族の絆」

村上則夫

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テーマ:終活

本日は4月11日、日経新聞に掲載された記事を、皆様と一緒に読み解いていきたいと思います。
これは毎週掲載される特集記事でございまして、「M&I、生活設計と資産運用」というところでございます。人生100年、お金の知恵ということで、「相続遺言で守る、家族の絆。保管制度で作成しやすく」という見出しがございます。
こちらは自分の手で早めに遺言を書きたい、神奈川県に住む川口さんという方ですが、川口さんの母親は亡くなった時、遺言を残さず、遺産分割協議で長男だった川口さんは弟と揉めた、葬儀の日から口論になって、今でも兄弟の付き合いはもうできていない。
私の終活セミナーの中でも、相続、そしてこの遺言というところで、大切さというところを日頃からお伝えしているとところではございますが、今回ですね、今年の民法改正によりまして、4月10日から、自筆証書の遺言を法務局で保管する制度が開設されます。
その前にその自筆証書遺言と公正証書遺言の、この主なポイントというものをこの記事の中から読み解いていきたいと思いますが、自筆証書は本人が作成する。公正証書は公証人が作成するということです。書式の確認等も当然本人と、後は公正証書ですと、公証人が確認すると。で、自筆証書の内容に関しては本人が考える、公正証書は、公証人と一緒に相談をすることができるということです。自筆証書の中でその保管制度を利用する場合と、利用しない場合がありますが、利用する場合には保管場所は法務局。利用しない場合は本人。公正証書の場合は公証役場で保管がされております。
そして家裁の検認が必要かですが、実質証書で法務局が保管する場合は、家庭裁判所の検認は必要がありません。そして保管制度を利用しないで、その遺言者の方が自宅の中に保管していた場合に相続人等が見つけた場合は、これは家庭裁判所に検認の必要がございます。公証人が作成した公正証書は、家裁の検認は必要ではありません。それで自筆証書でその保管を法務局でするようになったかですが、最近は、個人の文章能力が上がってきたことも当然ありますので、自筆証書を自分で書いて、自筆証書の保管義務が自宅の中ということだと難しい、それを法務局等でお預かりをする仕組みができれば、検認も必要ではありませんし、法務局に保管をお願いすると、万が一その遺言を書いた方が亡くなった場合、亡くなったことは戸籍に記載されますので、亡くなったことが法務局の方にも通知が行くわけです。そうすると、法務局の方からその方の遺言書がありますよと、相続人に通知をしてもらうことが可能になります。遺言が間違いなく執行されると、自筆証書でも自宅等にあれば、誰も見つけられないということが起きる、せっかく遺言者の方が一生懸命考えた遺言書が探されないで、遺産分割協議というものをせざるを得なくなるわけです。相続人同士で自宅をどうするか、預貯金をどう分配するのか、話し合いで決まらないと、争いになり、最終的には家庭裁判所に調停で、調停で解決しなければ裁判になってしまうわけです。せっかくの血縁である身内が、親の遺産で争いになるということが、とても残念なことだと思います。
この折れ線グラフからも読み取れるように、遺言を書く割合がどんどん増えてきているという状況があるわけです。公正証書は昨年11万3000件と過去最高になっている。家庭裁判所で自筆証書の検認を行われた件数も、18,000件で、10年前に比べて約3割も増えている。それでも年間136万人ぐらいの方が亡くなるわけですが、その中の遺言を書く方は1割にすぎないということです。ですから10人に1人しか遺言は書いていないということです。
これをアメリカと比べますと、アメリカはだいたい1年間に280万人の方が亡くなるそうですが、半分の方は信託の制度や、遺言は書いているということで、相続人に争いが起きないように手立てをしている状況でございます。
保管制度で遺言の作成もしやすくなりました。実は私もこの自筆証書遺言の保管制度を法務局に届け出をしたいと思って、先日法務局の方にその保管制度の予約をしました。次回のこのプラチナパートナーズの動画で、是非その手続きから私が遺言書を作成して、保管証明書を頂きましたという内容を皆様にお伝えしたいと思います。
それを見ていただいて、「そうか、こんな簡単な手続きできるんだ」と、もし感じた方がいらっしゃれば、弊社村建地所にお問い合わせをいただければ、作成のサポートもさせていただきたいと思っております。しかし遺言というのは、自分の意志を残すだけでありますから、これが遺言を書くことが節税になったりするわけではございませんので、それとはまた別の観点でお考えをいただければと思います。遺言はあくまでもその遺言者が亡くなってからでしか、効力を発しません。例えば高齢になって認知症になり、交通事故にあって植物人間状態になってしまうと、それ以降のことは亡くならない限り、遺言書の効力は発しません。そういった場合にはプラチナパートナーズチャンネル、終活セミナーでもお伝えしておりますように、ぜひそういったご心配があるという方は、家族信託契約を結ぶこともお考えの中に入れていただければと思っております。

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村上則夫
専門家

村上則夫(住宅・建物/不動産・土地)

有限会社 村建地所

終活カウンセラー上級インストラクター、家族信託コーディネーター、空き家管理士などの資格をもとに、分かりやすい情報発信につとめ、皆様の大切な財産を生かす終活を提案します。

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