薬で治す歯周病について

堀克昌

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テーマ:コラム


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感染には2種類あり、一つは内因性感染(病原性の低い常在菌の著しい増加、あるいは宿主の免疫力低下)と、外因性感染(インフルエンザ、結核や性感染症など本来生体には存在しない病原体の感染)がある。

歯周病の分類では、前者に相当するものを慢性歯周炎、後者に相当するものを侵襲性歯周炎という概念で捉えられており、Armitageらが提唱した侵襲性歯周炎の定義では、健常者には存在しないAggregatibacter actinomycetemcomitansのような特異的な歯周病原細菌の存在と、これらの家族内感染による家族内集積(侵襲性歯周炎患者が家族内に沢山いること)とし、アメリカ歯周病学会(AAP)の分類や日本歯周病学会の分類においても同様の分類としている。

この外因性感染の疑念の強い侵襲性歯周炎に対して、抗菌療法を検討するわけであり、むやみに慢性感染症である慢性歯周炎には、抗菌療法、特に内服を含む薬物療法は応用するべきではない。

すなわち、慢性歯周炎では、まず抗菌剤といったお薬で何とかするのではなく、いわゆる歯周基本治療をまず全うすべきである。





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