インプラント上部構造を取り外す”リスク”とは?!

堀克昌

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テーマ:インプラント

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インプラントの上部構造を定期的に外して清掃することは、一見良いことのようにも思えますが、果たしてどうなのでしょうか?

実は、一度外した上部構造体を再度ネジ固定しようとすると、きれいに洗浄したつもりでも、目に見えない”ばい菌”を歯肉の奥に押し込んでしまい、インプラント周囲の歯槽骨を喪失する結果となることが分かっています。

さらに、上部構造体と安定した関係にあった周囲歯肉を一度切り離した状態とすることになるので、同部位に炎症を引き起こす結果となることも、いくつかの論文から明らかになっています。

そしてもう一つは、骨粗鬆症等により、インプラント周囲の骨の状態が変化している場合は、右ネジが切ってあるインプラントに逆回転の力をかけてスクリューを外すことは危険ではないかということです。

(当院で採用しているインプラントシステムでは、35Nでスクリューを締結していますが、スクリューを外す場合、35Nの逆回転を行うことになります。

仮にインプラントと周囲骨がしっかりと結合していたとしても、それよりも少し外側の歯槽骨との間の骨同士の結合が破壊されれば、逆回転したインプラントは、周囲の歯槽骨ごと破壊される可能性もあることでしょう。

以上のような理由により、当院では余程のことがない限り、上部構造体を外さずそのままの状態で清掃しています。

一度喪失したインプラント周囲の歯槽骨は何をしようとも再生することがないのです。

インプラント周囲を綺麗な状態にすることは重要ですが、上部構造体を頻繁に除去し、清掃することは、逆効果になってしまいます。

インプラント周囲の骨吸収が惹起されないように、外さずに清掃するのが、現在のインプラント治療を行う歯科医師では、一般的な見解なのです。







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