いびきの外科的治療の問題点は後戻り!

堀克昌

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いびき・睡眠時無呼吸症候群に対する外科的治療の目的は、睡眠時に上気道が狭窄あるいは閉塞を起こさないような形態に変えることである。


狭窄あるいは閉塞部位は、1.鼻腔 2.アデノイド、口蓋扁桃、軟口蓋領域 3.舌根部に見られるので、その原因部位に手術的操作が加えられることになる。


その中でも鼻腔は極めて重要で、もし鼻閉塞があればそれを取り除くことが必須である。


いびき・睡眠時無呼吸症候群に対する手術治療として一般的に広く行なわれているものは、UPPPとLAUPである。


いずれの方法も、上咽頭のスペースを広げると同時に、口蓋垂および軟口蓋下縁が睡眠中に舌根部、中咽頭側壁、後壁に接したり挟み込まれたりして、睡眠中に気道が閉塞することを防ぐことを目指している。


これらの手術の問題点としては、術後数カ月すると症状が元に戻ってしまう例が少なくないことが上げられる。


1)UPPP
弛緩した口蓋垂を含めた軟口蓋下縁を切除し、口腔側粘膜と上咽頭部が広げられる。


軟口蓋を切り上げることにより、口蓋垂が下方の舌根部、中咽頭側壁、後壁に囲まれた空間を塞ぎにくくする。


2)LAUP


UPPPと目指すところは同じであるが、より手術侵襲を少なくするように工夫された術式である。


基本的には軟口蓋の下縁は切除せず、口蓋垂の両側にレーザーで切れ込みを入れ、同時に口蓋垂の下半分をレーザーで蒸散する。


この手術操作で、軟口蓋下縁は口蓋垂とともに上方に持ち上げられ、上咽頭腔のスペースも広がる。


ただしUPPPに比べるとその切除範囲は狭いので、治療対象は主にいびきである。


(いびきと睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療 より)








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