施主の要望にとことん応える　こだわりの注文住宅（1/3）

大工としての理想を求めて

　一生の中で一番大きな買い物といわれるマイホーム。せっかくなら、こだわりの注文住宅で、思い描く夢を形にしたいものです。そんな夢を数多く形にしてきた、松浦建築の代表、松浦健二さんは、社長業もこなす現役の大工さん。社長と言えば、スーツに身を包み、大きな机に座っている姿をイメージしがちですが、松浦さんのいでたちは、大工さんそのもの。アスリートを思わせる太い腕と日に焼けた肌がいかに現場へ出ているかを物語っています。
　大工だった父の背中を追うように、大工を志したという松浦さん。技術を身に付け、経験を積んでいくうちに、大きな壁にぶち当たったそうです。
「まさに理想と現実でした。もう一段、階段を増やせば、段差が緩やかになって、お年寄りでも階段の上り下りが楽になるのに、その意見が通らないんです。大工は設計図通りにしか、作ってはいけない、という現実にいつも打ちのめされていました。」
　設計から施工までトータルで家づくりをしてみたい。そんな思いが募り、会社を設立。しかし、大工の経験しかない松浦さんには、試練が待っていました。
「敬語も何もしらない若者だったので、業者から足元を見られることなんて、しょっちゅうでした。そんな状況ですから、営業なんてとても無理で。」
ところが、伝手で引き受けたウッドデッキの施工で、丁寧な仕事ぶりに依頼主が感動したことがきっかけで、営業活動をしていなかったにも関わらず、評判から、少しずつ仕事が入るようになったそうです。
「営業力や技術力も会社としては大切ですが、やっぱり『人』なんだと、改めて思いました。」
　設計図通りにしか作ることができなかった悔しさをバネに、大工としての理想を追い求める松浦さん。人と人とのつながりを大切にし、独自の発想で、丁寧な家づくりを提案しています。

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