韓国と米国の入試制度~日本はどこへゆく?
10月11日の朝日新聞によれば、この「新テスト」は高3の1月を軸に複数回受験できるように実施時期を検討し、会場は主に大学ということです。
これはすなわち、高2の1月でも受験可能にするということではないかと思います。学習速度の速い生徒は高2でも十分に大学入試レベルの学力を備えていますから、高2で受験できるようにするというのは、たいへん合理的で現状にかなっています。
また、高3の夏頃に一部の科目だけでも受験機会があってもいいかな、と思いますが、大学の負担が増えますので、これについては、実現は難しいかもしれません。
10月5日のYAHOOニュースにあった産経新聞の記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131005-00000097-san-soci.)に、「運にも左右される一発勝負型の試験では本質的な能力は測れないとして、複数回挑戦できるような仕組みづくりも検討。」とありました。
しかし、本番というのは本来1回キリのはずです。1回キリだからこそ意味があるのだと思います。例えば、「私は本番では力が出せないのですが、本当は能力があるのです。」というのは実際問題として役立つ能力だと言えるのでしょうか?また、1回キリだと本質的な能力が測れないから、2回受験できるようにしたからといって、2回目には1回目に表れない“本質的な能力”が表れることが期待できる合理的な理由があるのでしょうか?本番でしっかり力を出せることも能力の一つであり、勉強と同じく、訓練によって高めることのできる能力です。
ただ、先にふれたように、進度の速い生徒を中心に高2での受験を認めるという意味では複数回受験は意味があると思います。また、私立大学入試を中心に複数回受験機会があるという現状では、複数回受験自体は時代の流れでもあるのでしょう。
この「新テスト」の導入にあたり、これからいろいろ討論されるでしょうが、もし本当に導入となれば、日本人の大学入試に対する観念を大きく変え得る変換でしょうから、今後の推移を注意深く見守りたいと思います。