韓国と米国の入試制度~日本はどこへゆく?
10月3日のYAHOOニュースに掲載された毎日新聞の記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131003-00000006-mai-life)によりますと、大学入試センター試験をベースに「新テスト」を導入し、また、学習到達度を確かめる「到達度テスト」も新たに作成するという原案が政府の教育再生実行会議で検討されるということです。
大学入試センター試験が廃止され「到達度テスト」一本にならなかったことには安堵しましたが、存続すべき大学入試センター試験は「新テスト」として生まれ変わるようです。
10月11日の朝日新聞にはもう少し具体的にくわしく掲載されていましたが、大学入試センター試験は廃止、これをベースに「新テスト」として生まれ変わります。最大のポイントは、点数での評価ではなく、到達段階別のランク表示になるということです。例えば、95~100点をSランク、85~94点をAランク、75~84点をBランク…、などと点数ゾーンによってランク表示するということだと思われます。
これは、1点差で合否がきまることがあり得る大学入試センター試験の反省を踏まえたものということらしいですが、ランク表示に変えたからと行って、各ランクの境界では、やはり1点差によって、ランクが変わるわけで、本質的な問題解決となっているわけではありません。
例えば、先の例にならえば、95点はSランクだけど、94点だとAランクなわけで、その差は大変大きく、さらに、94点でも、85点どまりだった人と同じAランク扱いとなってしまいます。もちろん、点数ゾーンの取り方をどの程度狭くとるかにもよるわけですが、何か不透明感、不公平感が残るような気がします。
それにしても1点刻みで点をつけることの何がいけないのでしょうか?センター試験は1点刻みだから知識偏重だという批判がありますが、センター試験は本来教科書程度の理解を測るものであって、決して難問奇問が並んでいるわけでも、単に暗記さえすれば解ける問題ばかりが並んでいるわけでもありません。普通に正しい意志を持ってコツコツ勉強していれば、誰でも十分に高得点をとることが可能なテストです。知識偏重とかいうハイレベルではないのです。そして努力の結果はきちんと点数に表れます。85点の人と94点の人はやはり学力差があるのです。それを同じAランクにまとめる、というのは、85点の人には恩恵があるでしょうが、94点の人には何か釈然としない気分が残るでしょう。ですから、きちんと1点刻みで正しく点数評価をしてあげるべきだと私は強く思います。
さて、この「新テスト」は大学入試に用いるということですから、トップクラスの生徒がセンター試験ではほとんど差がつかない現状を考えると、ゾーン評価をするわけですから、現在のセンター試験より、少しなりともレベルを上げざるを得ないのではないかと思います。
(2)“複数回受験”につづく