大学入試センター試験についてくわしく知りたい! (7)センター試験で高得点をとるには~その1
これまで、センター試験で高得点をとるために必要なこととして、次の3項目を解説してきました。
① 基礎知識の習得
② 定型化されたパターンの見極めとその確実な実行
③ スピードと少しの応用力
これらの3項目のほかに、実は、もう1つ挙げておきたい項目があります。
「一度しかない本番」で「実力を充分に発揮することのできる能力」です。
これは複数回受験可能な「達成度テスト」では測りにくい能力です。
センター試験は独特の雰囲気の中で実施されます。緊張のあまり、頭がよく働かなかったという生徒さんは必ずいます。また、最初に受けた公民の科目が思ったほど出来なくて、動揺してしまい、その後に続く科目もぼろぼろになってしまうという生徒さんもいます。あるいは、試験監督の先生が気になって集中できなかった、とか、ストーブの近くだったから暑すぎてアカンかった、とか…。
このように、毎年、センター試験が終わると、“センター失敗した…”と大きくへこんでいる生徒さんがいます。模試や過去問はいい点をとれていたのに…。
“どんな状況に置かれても、自分の実力をしっかり発揮する”ことができるかどうかは、最終的に、その人の人生を左右するといっても過言ではありません。もちろんセンター試験においても、今まで頑張って勉強をしてきた成果をしっかり発揮できなければ、第一志望の大学に合格できるかどうかが大きく左右されます。
では、どうすれば、実力を発揮できるか?
以下に3つのポイントを挙げましょう。
一つ目は、緊張にうまく対処することです。
適度な緊張はむしろ望ましいかもしれませんが、緊張が過ぎると、頭が真っ白になって、何も思い浮かばなくなり、さらにその状態にパニックになり…、と負の連鎖が起こってしまいます。
緊張時の身体的な対応のしかたを2つ。
① 意識的に大きく深く呼吸をする(緊張時、呼吸が浅くなっている場合が多いのです。)
② 意識的にからだをリラックスさせる(全身の筋肉に力を入れて、ふんばった後、すーっと全身の力を抜いてみましょう。その状態を保ちましょう。)
緊張してもパニックにならないように、普段から心がけることを1つ。
自分の自然な考え方の延長線上に解法パターンや知識が乗るように、よく理解して習得しておく。
つまり、単に丸暗記しただけのものや、付け焼き刃的に勉強したこと、理解が浅く、わかった気になっただけのものは、緊張時にはパッと忘れてしまいやすいのです。なぜそうなるのかを理解し、自分の自然にわき上がる考えの流れに乗せられるようになれば、どんなときでも決して忘れない知識となるでしょう。
二つ目は、自分への信頼、自信です。
自分は必ずうまくできる、普段通りの力を発揮できる、と、静かに深く自分に絶えず言い聞かせましょう。逆に神経質になってはいけません。絶対大丈夫、と自信を持ちましょう。
自信が持てなくても、なるようになるさ、大丈夫!と楽天的に考えることはたいへん重要です。思うようにできなかったらどうしよう…なんて弱気なことは、微塵も思ってはいけません。
自分はしっかりできる人間なんだ、ということを自分が信じてあげましょう。そうすれば必ずうまくいくのです。
三つ目は、厚かましさ、ずうずうしさです。
センター試験において、自分がベストの力を発揮できるための環境整備を思いっきりエゴイスティックに行いましょう。
例えば、試験監督がずっと隣にいて集中できないときは、遠慮無く手を挙げて、教室前方の中央にいる一番偉い試験監督に、そのように申し出て、位置を変えてもらいましょう。実際に、昔センター試験の監督業務をしていた際にそういう受験生がいました。
ストーブが暑すぎるときは、可能な範囲で薄着になって調節するか、遠慮無く、手を挙げて、試験監督に申し出ましょう。
センター試験のときは特別です。普段おとなしく謙虚な人でも、ベストを尽くせるように、厚かましく、ずうずうしくなってください。