「到達度テスト」はセンター試験と共存すべき(2)
したがって、「到達度テスト」は、大学入試センター試験とは違い、点数による結果を出すのではなく、あくまでも「到達度」にこだわり、前述のようなゾーン評価を出すものとし、上位大学は大学入試センター試験を主に用い、AO入試や推薦入試においては「到達度テスト」を主に用いるといったように、「到達度テスト」と大学入試センター試験がきっちり棲み分けできるような制度設計を考えていってもらいたいと思います。
記事に、“「一番大事なのは、1点刻みで合否を判定するテスト一辺倒の入試を変えること」という見解は一致している”とあります。「到達度テスト」が、ゾーン評価を打ち出せば、入試が変わる一つの契機になるのではないでしょうか。
最後に、実は、高校生の側にこそ、1点刻みで合否を判定する学力テストを望む声が意外に多いことに触れておかねばなりません。小論文や面接など、受験する側からしたら、何を根拠にして、どのように合否が判断されるのかがわかりにくい入試は、敬遠されがちです。
“1点刻みのテストだけではなく、面接などを組み合わせて、人物本位の丁寧な入試を”と理想を掲げるのはいいですが、入試が変わるにしても、受験生から見たときに、合否の基準が明確で、公平性が担保されており、なおかつ、入試対策勉強をしていくにあたって、何をどのように勉強していけば良いのかが明確に示されている、つまり、誰もが努力さえすればチャレンジ可能な入試であり続けるべきなのは言うまでもありません。
(そういう意味では、大学入試センター試験はよく機能していると私は思います。)