大学入試センター試験についてくわしく知りたい! (4)2013年度センター試験平均点
大学入試センター試験は、毎年1月中旬に、1年に1回だけ実施されます。すなわち、受験生にとって、チャンスは1回だけ。結果に納得できなければ、浪人するしかありません。そしてこの一発勝負であることを批判する人がいます。これに対して、「達成度テスト」は年に数回受験できるうえ、一度受験した科目でも点数が納得できなければ、より高得点を目指して再度受験できるようになるようです。それゆえに、「高校生の学力をよりていねいに測ることができる」と考える向きがあります。
「一発勝負」か「複数回」か?
大学入試センター試験の重要性が、特に国公立大学受験生にとって、ものすごく高いことは言うまでもありません。センター試験で思うように点がとれなければ、志望大学合格可能性がぐっと低くなり、2次試験(個別試験)で挽回しようにもどうしようもない状況に追い込まれます。そうなれば、志望大学をより合格しやすい大学に変更するか、浪人覚悟で受験するかというたいへんつらくて重い選択を迫られます。
しかし、だからといって、「大学入試センター試験が複数回受験できるようになればいいのに」なんて、考えたこともありませんでしたし、これまでたくさんの高校生に接してきましたが、もう一回受けられたらいいのに、というようなことをぼやいた高校生は記憶にはありません。
例えば、スポーツの世界について考えてみましょう。試合での勝ち負けは真の実力はどうであれ、一発勝負による結果です。総合的な実力で劣る者(あるいはチーム)が、実力が上の者(あるいはチーム)に、試合で勝ったからといって、その試合結果はおかしい、正確に実力を反映していないじゃないか、一発勝負の試合では、丁寧に実力を測れないぞ。なんて批判する人がいるでしょうか?(負け惜しみでそう言う人もいるかもしれませんが…ふつう相手にされないハズです)スポーツの世界においては、私の知る限りにおいて、実力がどうであれ、試合の結果がすべてなのです。
音楽の世界でも同じです。コンクールで演奏を間違えてしまった、ふだんの練習では間違えたことなかったのに…と嘆くことはよくあることだと思います。だからといって、コンクールは一発勝負だから実力を正確に反映していないのでは?ということにはなりません。皆がその結果を受け入れています。私もピアノを少し弾きますが、コンクールほどではなく、発表会で演奏をするということでさえ、ちょうど入試に臨む受験生と同じで、一発勝負なのです。思うように弾けなかったのでやり直します、とはなりません。
ひるがえって、入試もやはりスポーツにおける試合であり、音楽におけるコンクールなのです。大学入試センター試験は、そのテストが入試として行われるからには、一発勝負であるべきで、それが正しいのだと思います。
そして、私の知る限り、受験する当事者である高校生もそれを充分承知の上で受験しています。大学入試センター試験は一発勝負であるから学力が正確に反映されていない、という批判は見当外れなのです。
次回は、このあたりについてもう少しくわしく議論したいと思います。