大学入試センター試験についてくわしく知りたい! (4)2013年度センター試験平均点
前回に続き、科目ごとに2013(平成25)年度の受験状況をみていきます。
■国語
国語は全受験者の95%が受験しました。この数字は外国語についで高い値で、理系であっても国語は避けて通れないということを表しているといえます。
■外国語
外国語は全受験者の99%が受験しました。センター試験は、「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」から選択できるようになっていますが、外国語選択者のうち実に99.8%が「英語」を選択しています。ですから、全受験者のほとんどは「英語」を受験しているということになります。これは中学高校と外国語といえば、英語のみを学んできた日本の高校生とすれば当然の結果でしょう。また、リスニングが実施されるのは英語のみですが、リスニングの受験者は全体の98%です。英語の筆記試験とリスニングはほぼセットで受験しているということになります。これは、多くの大学が英語はリスニングを含む、と指定しているからでもあります。
■理科
理科は全受験者の73%が受験しました。およそ4人に3人弱が受験したことになります。理科を受験しなくてもよいと思われるのは、主に、私立大学文系学部志望の受験者、一部の国公立大学志願者だけです。
科目の内訳をみていくと、もっとも多いのが「化学I」の受験者で、理科受験者のうち36.5%です。次が「生物I」で30.8%、「物理I」25.1%となり、この3教科で理科受験者の9割を越えています。理系は5教科7科目受験の場合、理科を2科目受験しますので、その場合、大半の受験者が「化学I」と「物理I」、または「化学I」と「生物I」という選択をします。このため、「化学I」の科目選択率が高くなったと考えられます。また、文系は5教科7科目受験の場合、理科は1科目ですが、多くの人が「生物I」を選択しますから、これが、「生物I」の科目選択率に影響しています。
この3科目以外の「理科A」、「理科B」、「地学I」はいずれも、科目選択率2%台で、選択する人はたいへん少なくなっています。
さて、理科を受験した人のうち、6割の人が2科目受験でした。その内訳をみてみましょう。実に理科を2科目受験した人のうち、58%もの人が「化学I」と「物理I」を受験しています。そして、29.5%が「化学I」と「生物I」です。あとわずかに「理科総合B」と「生物I」の受験者が4.9%となっています。それ以外の組み合わせはきわめて少数でした。これは、理系の約6割が「化学I」と「物理I」選択で、約3割が「化学I」と「生物I」選択であり、それ以外の選択のしかたはたいへんまれであることを示唆しています。
■数学①
数学①は、全受験者の74.9%が受験しました。「数学Ⅰ」と「数学I・数学A」のどちらかの選択なのですが、数学①の実に98%の受験者が「数学I・数学A」を選択しています。例年、数学Ⅰは難しくて平均点も低く、敬遠されがちであるということもありますが、ほとんどの大学が、「数学I・数学A」を指定しているためでしょう。
■数学②
数学②は、全受験者の67.8%が受験しました。数学②は、「数学Ⅱ」、「数学Ⅱ・数学B」、「工業数理基礎」、「簿記・会計」、「情報関係基礎」から選択できるのですが、数学②の98%もの受験者が「数学Ⅱ・数学B」を選択しています。
また、数学②を受験した人のほぼ全員が、数学①と数学②の2科目を受験しました。
つまり、数学①では、ほとんどの受験者が「数学I・数学A」を受験し、数学①の受験者の9割以上が数学②も受験しました。数学②では、ほとんどの受験者が「数学Ⅱ・数学B」を受験しました。