大学入試センター試験についてくわしく知りたい! (7)センター試験で高得点をとるには~その4
大学入試センター試験は、「大学に入学を志願する者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定する」ことを主たる目的としています。全教科・全科目でマークシート方式の設問となっており、記述式の問題は出題されません。出題内容も学習指導要領に沿った、教科書程度のレベルとなっています。問題もいわゆる知識偏重に過ぎない配慮がなされているように思います。平均点は6割程度となるように出題されており、実際に、例年の平均点は、科目や年によって変動はあるものの、おおむね6割台となっています。ただし、近年、高校生の学力レベルの格差化により、難関大学志望者が9割台の得点をとるのに対し、センター試験は難しすぎて歯がたたないという層も確実に存在するようになりました。
大学入試センター試験の正式名称は、「大学入学者選抜大学入試センター試験」といい、1990年から毎年実施されています。それ以前は、1979年から1989年まで国公立大学の入学志願者を対象とした大学共通第一次学力試験(共通一次)が実施されていました。
共通一次と違い、大学入試センター試験は私立大学・短期大学も利用できるようになり、また、試験時間の短縮、入試科目の弾力化が行われました。2006年以降は、英語のリスニング試験がICプレイヤーを利用して実施されています。
国公立大学では、一部の推薦入試を除き、その出願資格を「大学入試センター試験で本学が指定した教科・科目を受験した者」と規定しているため、国公立大学志願者は大学入試センター試験を受験し、自己採点を行った後、国公立大学を出願することになります。多くの難関国公立大学は、センター試験で5教科7科目を課しています。すなわち、文系では、外国語、国語、数学2科目、地理歴史から1科目、公民から1科目、理科1科目であり、理系では、外国語、国語、数学2科目、地理歴史・公民から1科目、理科2科目です。ただし、センター試験必要科目が3教科またはそれ以下でよい国公立大学も相当数あります。
センター試験の科目毎の配点は、大学の学部、学科ごとに異なり、センター試験にウエイトを置いた入試を実施する大学もあれば、逆に大学独自に実施する個別試験にウエイトを置いている大学もあります。志望する大学の学部・学科に合わせた対策を立てて勉強することが必要でしょう。
いまや約9割の大学でセンター試験は利用されており、たいていの私立大学で、いわゆるセンター利用入試やセンター併用入試が実施されています。これらの入試制度は私立大学の併願を容易にしましたが、センター試験を万一失敗すると、すべてコケてしまうという大きなリスクがあります。
国公立大学においても、センター試験と個別試験の配点間のウエイトの置き方は様々とはいえ、センター試験で失敗してしまうと、志望大学よりランクを下げた大学に出願を変更したりしなければならなくなるなど、受験生にとってセンター試験の重要性はたいへん大きなものとなっています。
センター試験の実施日は、「1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日」とすることとされています。2日間に分けて1日目は、地歴・公民・国語・外国語、2日目は理科と数学の試験が実施されます。
毎年、大手の予備校が自己採点結果を集計して合否判定サービスを行っており、センター試験の翌日の月曜日に高校等を通して自己採点結果を提出すると、木曜日ごろには偏差値、合否判定結果が得られます。各予備校で合否判定は毎回ばらつきますので、やまぎわ高校ゼミでは、プロの先生が冷静に結果を判断し,生徒さんや保護者の意向もふまえた上で、国公立大学の出願をどうするかについて具体的なアドバイスをしています。