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労働問題や株主紛争など、多様化する法的リスクから中小企業を守る

労働法・会社法に強い企業法務のプロ

田中継貴

田中継貴 たなかつぐたか
田中継貴 たなかつぐたか

#chapter1

労働法分野に力を入れ、メンタルヘルス不調の対応など多様な事案を担当

 創業以来、40年以上企業法務に取り組んできた「田中彰寿法律事務所」。京都・滋賀を中心に100社以上の法務顧問を務め、上場企業から中小企業まで、また自治体や病院など、規模・業種を問わず担当しています。

 代表の田中継貴さんは、2代目として父の事業を引き継ぎました。
 「当方には、私を含め、弁護士が約10人在籍しています。一人一人の得意分野を生かした組織力で、幅広い案件や緊急の事案にも柔軟に対応。弁護士が必ず1人は事務所に常駐する体制を整え、顧問先からの電話やメールでの相談にも応えます」

 田中さんは、特に労働法分野を得意とし、これまで数々の労働事件を扱ってきました。日本産業保健法学会でも知見を深め、近年問題が顕在化しているメンタルヘルスに関わる法務に力を入れています。
 「メンタルに不調を抱える労働者は増えており、労災申請数・認定数ともに増加傾向にあります。長時間労働やパワハラ・セクハラなど勤務中に要因があれば、企業側の責任は重く、訴訟に発展する可能性もあるため、慎重な対応が求められます」と田中さん。

 「休みたい」という従業員からの申し出や、ハラスメントの通報など、異変に気付いた時点で早めに専門家を頼ってほしいと呼び掛けます。
 「業務中のケガなどとは異なり、メンタルの不調は原因の特定が困難です。たとえ私的なことが発端だとしても、日中を会社で過ごしているなら、まったく無関係とは言い切れません。企業として取るべき手だてや、裁判に備えた証拠の記録など、大きなトラブルにならないようアドバイスができます」

#chapter2

労働組合や反社会的団体からの不当な要求にも、豊富な経験知を発揮

 田中さんは、労働組合対応でも多数の経験を誇り、過激な組合の対処にもあたってきました。企業側の代理人として、多くの団体交渉に立ち合うほか、交渉が決裂して裁判に持ち込まれたケースでも解決の実績があります。

 会社法にも精通し、経営支配権をめぐる紛争や、役員の経営責任を追及する訴訟でも豊富な知見を有します。
 「未上場企業では、創業者が亡くなり、相続によって株式が同族株主に分散されるケースが少なくありません。親族間の利害対立が生まれ、経営に支障をきたすことも多いので、株の買い戻しを進めるなど、経営の安定化をサポートします」

 また、ある中小企業の役員に対して巨額の損害補償を求めた株主代表訴訟で、役員側の代理人を担ったことも。
 「争点は、経営不振が役員の経営判断ミスによるものかです。中小企業では、意思決定の根拠をデータ化するまで手が回らず、感覚的な判断がまかり通る面もあり、その点で任務を怠ったとされるのは酷ともいえます。訴訟の結果はその後の経営を左右するため、企業を守る視点で解決を導きます」

 公的活動として、暴力団対策にも従事する田中さん。京都弁護士会「民事介入暴力被害者救済・非弁護士取締委員会」に所属し、2019年には委員長も務めました。
 「消費者向けビジネスを行う企業では、時に反社会的団体からの不当なクレームや要求を受けることがあります。窓口になる当事者の精神的な負担は相当なもの。弁護士が間に入ると直接接触する必要がなくなるので、本業に集中できます」

田中継貴 たなかつぐたか

#chapter3

リスクを回避する予防法務の体制づくりで、企業の発展に貢献

 創業者である父の仕事ぶりを見て、自然と弁護士を志したという田中さん。当初から、企業の役に立ちたいと心を決めていたそう。
 「企業は形がないものですが、法律によって人格が与えられ、権利義務が認められた〝法人〟とされます。社会に必要な要素である企業を、きちんと法にのっとった形で維持・発展させていくために力を尽くしたいと思いました。大手でも中小でも労働問題で困っている企業は多いと考え、司法試験の選択科目でも労働法を選びました」

 地域に根差したサポートを心掛け、顧問先は京都北部にも多いとか。
 「もともと父が綾部市の出身なので、地元とのご縁も大事にしています。京都市内の事務所から現地に出向いて事件を扱う機会も少なくありません」

 SNSの普及とともに、企業を取り巻く法的リスクはますます高まっていると指摘します。
 「SNSの炎上で企業イメージが著しく低下するなど、至るところに火種はあるものです。誰でもネットで法律の知識を得やすくなり、労使関係なども、労働者は専門家に相談した上で動いてくるケースが多々あります。対応が後手に回ると、問題はどんどんこじれていきます」

 顧問弁護士の必要性を感じながらも、「なかなか機会がなくて」という企業も多いでしょう。
 「企業の存続のため、法的な問題にきちんと対処できる体制づくりは、これからの時代に必須です。日頃からトラブルの芽を摘めるよう、予防面でお手伝いできることは多いです」と胸を張ります。

(取材年月:2023年1月)

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田中継貴

労働法・会社法に強い企業法務のプロ

田中継貴プロ

弁護士

弁護士法人田中彰寿法律事務所

100社以上の顧問先企業を抱え、日常業務から訴訟まで幅広い実績を誇ります。労働法・会社法を得意とし、産業保健分野や労働組合との団体交渉、株主間紛争、暴力団・不当要求対策まで企業の法的リスクに備えます。

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