『分析力』『仕事の速さ』を企業法務に活かす
暑い日が続きますが、皆様体調を崩されておりませんでしょうか。
私も水分補給をしながら、日々の業務に励んでおります。
さて、本日は個人事業者の方に向けた「ミニ」契約書の作成をお勧めいたします。
実務でお話を聞くと、契約書を作っていない個人事業主の方は本当に多いです。 理由をお伺いすると、
•信用で成り立っているから
•別に作らなくても今まで問題なかったから
•作らなければならないと思うけど、どう作っていいかわからないから
といったお答えが返ってきます。
ですが、どれだけ強い信頼関係があっても、人間ですから時間の経過とともに契約内容を「忘れてしまう」危険がございます。そうなると、まさに「言った」「言わない」の水掛け論になり、大きなトラブルへ発展しかねません。
また、万が一代金不払い等で民事訴訟を提起しなければならなくなった場合、裁判では「契約があった事実」自体をこちらで立証しなければなりません。これは契約書がないと、実は想像以上に困難なのです。
ですので、契約書は作っておいた方が絶対に良いです。
そこで、「どう作っていいかわからない」という方にお勧めしたいのが「ミニ」契約書です。
「ミニ」契約書といっても、法律上そのような契約書があるものではございません。
契約(=双方の合意)の事実を証明するものが契約書ですので、「ミニ」契約書といっても立派な契約書です。
ただ、分量が少なく、A4で1~2枚ほどほどの契約書になります。ですので、比較的簡単に作れるのです。
では、「ミニ」契約書には何を書けば良いのでしょうか?
そもそも契約とは、双方の合意に基づき「権利を取得し、義務を負う」ものです。 ですから、双方がどのような「義務」を負うのか(相手に何を果たしてほしいのか)を記載できれば、それだけでミニ契約書は90%完成したと言えます。
例えば、契約書があまり作成されない建築や工事などの請負契約であれば、以下のように記載します。
第1条(請負人の義務) 請負人は、本書別紙1記載の工事を〇年〇月〇日までに完成させ、注文者に引き渡す。
第2条(注文者の義務) 注文者は、前条記載の請負工事に基づく請負工事代金1000万円につき、本書別紙2記載の期日に同書記載の金額を支払う。
このように、「何をするか」「いくら払うか」を書くだけです。あとは、どうしても決めておきたい独自の特約事項を添えるだけです。
「契約時に想定されるトラブルを全部網羅して書かなくていいの?」と思われるかもしれません。
ですがご安心ください。契約書に定めていない事項は、民法の条文に基づいて解決することが可能です。民法と違うルールを作りたい時だけ、契約書に書き込めば良いのです。
最後にひとつ、ご注意いただきたい点があります。 「AIに契約書を作らせる」のは避けた方が無難です。
私は法律相談で、何度か明らかにAIが作成した契約書を拝見しましたが、正直に申し上げて出来が極めて悪かったです。
AIは「双方の権利義務を明確にする」ことよりも、「依頼者が満足しそうな文章を作る」ことを優先し、ネット上の様々な書式から見栄えの良い専門用語を継ぎ接ぎしてしまいます。その結果、取ってつけたような不必要な条項ばかりが増え、肝心の「一番大事な権利と義務」がスカスカになってしまうのです。これでは、いざ代金未払いで訴訟を起こそうとしても全く使えません。
ぜひ契約書は、AI任せにせずご自身で書くか、専門家に依頼して作成されることをお勧めいたします。
オギ法律事務所では、「ミニ」契約書の作成やチェックはもちろん、特殊な契約内容のご相談まで、法的知識と長年の現場経験に基づき幅広く対応しております。
「うちも契約書を作った方がいいかも…」と思われる方は、手遅れなトラブルになる前に、ぜひお気軽にご相談ください。


