判例・裁判例調査
犯罪被害が発生した時に、民事での賠償も問題となる。
交通事故などで任意保険がかけられている場合には賠償は保険によってなされるが、交通事故でも無保険車であったり(救済の道がない訳ではない)、それ以外の殺人などの犯罪では、犯人に資力がないことが多く、回収は困難を極める。
オウム真理教による地下鉄サリン事件で夫を亡くされた高橋シズエさんと、京都犯罪被害者支援センターのシンポジウムでパネリストとして同席したことがあるが、法律を知らない人たちから、「判決をもらったのにまだお金というのか」と当を得ない誹謗をされておられた。
訴訟をして判決を得ても、その判決をどこかに持っていけばお金に替わる訳ではない。あくまで訴訟で被告とされたものの財産から回収することしかできない。加害者である被告人から弁済がされることは希であり、オウム真理教の事件でも、被害弁償は一部を除いてされていないと記憶している。
国が肩代わりするという解決策が考えられ、うろ覚えだがイギリスでそのような制度が導入された時期もあったはずであるが(間違えていたら申し訳ない)、予算の問題で今は上限が設けられたはずである。
日本にも犯罪被害者に対する給付金があるが、上限は自賠責保険とほぼ同額であるし、一定の理由があれば減額されるなど、被害者保護にとって十分とはいえないといえる。
刑事事件で殺害されたような場合には、遺族に対する補償としては、不十分な金額であると評価している。
犯罪被害者給付金の大増額が求められるところであるが、司法関連予算は先進諸国の中で著しく低く、予算に占める割合は0.3%に満たない。欧米の先進諸国では、1~2%は確保されており、極めて低いレベルにあることが分かる。
誰しもが犯罪被害者となり得るのであるから、社会全体で救済する仕組みを作るべきであり、最も求められるのは国による肩代わりをしてくれる制度であるが、それができないというのであれば、せめて、犯罪被害者給付金の額を上限1億円程度として、現状の減額される制度についても、見直しを図るべきである。
以上です。


