最近の受任事件の傾向
死亡交通事故で葬儀費用は裁判実務では150万円が基本とされている(下回っている場合にはその額までである)。
人はいずれ亡くなるし、それが交通事故で早まったということで、実際に支出した額までは認められないという理屈なのだろうと思っている。
昨年母が亡くなったが、簡素な葬式でもやはり150万円以上はかかる。
小さなお葬式というCMがあるが、安価な葬儀はやはり亡くなった人に対して失礼な気がする。
交通事故で亡くなった場合、突然の死であることや、亡くなった人の属性によっては参列者も多くなり、実際にかかった葬儀費用は150万円では済まないことが多い。
また、お子さんを亡くされていると、仏壇を購入したり、墓を建築されたりしていることも多い。
これらの費用は、毎回頑張って主張立証するのであるが、なかなか増額は認めてもらえない(私自身、認めてもらった判決はいくつかある)。
ただ、色々とご遺族のために、亡くなった方のために主張立証していると、葬儀関係費用としては認めてもらえずとも、慰謝料のところで考慮してもらったのかなと思うこともある。
その主張立証の頑張り方は30年掛けて培ってきたもので、ここには書かないが、被害者側弁護士としてできることは亡くなった方やご遺族のために、刑事事件や民事事件で、可能な限り、亡くなった方のためにやり残したことはないと思ってもらえるよう頑張ることである。
葬儀費用も、もう少し裁判所も柔軟に考えてくれるよう、しつこく努力するのである。



