読書日記「ちくま日本文学039 堀辰雄」
破産事件では法人である場合や、個人でも財産が相応にあったり、借入の仕方に問題があったり、自営業者の場合には破産管財人が就く。
そうすると破産手続開始決定から3ヶ月程度を目処にして債権者集会がある。
かなり以前は、反社からお金を借りている人も多く、そういう集会は荒れた。
管財人の場合はまだいいのだが、申立代理人の場合、集会が終わった後債権者に捕まらないように速やかに裁判所を後にするというテクニックが必要なこともあった。そのような事件では、裁判所も職員をかなりの数配置されていた。
依頼者には、集会が終わったらダッシュで部屋を出るからと伝えて、集会が終わりそうになると鞄に書類や手帳を入れて、終了した瞬間債権者が破産者を捕まえようとする前にダッシュで部屋を出るということをした事件もある。
破産者には事前に説明をしていても、もたもたしている破産者がいて身支度に時間がかかり、捕まってしまったこともあった。
私のボスはこういう時はものすごく足が速かった。46期の修習生は大阪高裁に行くために三条京阪で京阪特急にダッシュするボスに追いつけず、三条京阪に置き去りにされたことがあったそうである。
最近は、暴対法の関係もあるのか、反社からお金を借りている破産者もおらず(顧客の筋がよく、私だけなのかもしれないが)、そうしたテクニックを披露することはなくなった。
債権者集会の今と昔である。