その契約、本当に必要ですか?

中隆志

中隆志

 平成17年にリース被害対策京都弁護団を私が事務局長として結成し、途中、クレジット・リース被害対策京都弁護団と名称を変更して、事業者に対するクレジット・リース被害事件の相談や受任をしてきたが、最近でも被害相談がなされている状況である。
 実に18年近く戦ってきていることになる。
 正当なクレジット・リース契約もあるが(私もコピー機はリースである)、異常な高値であったり、契約時に虚偽の説明がされていることが問題である。

 ホームページを作成すれば、顧客が獲得できます、ホームページを変更すれば、問い合わせが3倍になります。
 ウソである。
 リースで契約されているものが、ホームページ作成ソフトの場合、数百万円の価格とされていることがある。できあがったホームページは、ホームページビルダーなどの市販ソフト(数万円で購入できる)で自分で作成できるものであることも少なくない。
 そして、サーバー代やメンテナンス費用で別途年間数十万円支払っているケースもある。
 また、私が依頼した業者だと、ホームページ作成に25万円程度だった(記憶があいまいだが、そんなものだった。もっと安かったかもしれない。)し、サーバー代も月額ものすごく安い。
 最近はGoogleの上位に表示されるためには、ホームページを更新しなければならないとも聞いており、SEO対策もどれだけ効果があるか疑わしい。このような契約に数百万円のリースを組むくらいなら、Googleで検索された際に上位に表示される有料広告を出した方がよい(月額自分で上限を設定できる)。
 勧誘された時に、その契約が本当に必要か考えてみましょう。そして、契約書にハンコを押してしまう前に、クレジット・リース被害対策弁護団に相談していただきたい。初回相談は無料である。店舗から退去を求めても帰らない場合には、警察に相談することも有用である。中々適用されることはないが、「不退去罪」が刑法上の刑罰で定められている。

 電気代が安くなります。たいていの場合、ウソである。
 冷蔵庫でも、割引されて市販価格が数十万円のものが150万円近くで契約されていることもある。
 リースをすれば今のリースよりも安くなります。解約金が上乗せされて、支払総額が高くなることがほとんどである。
 コピー機なども、割引されれば100万円以下のものが、250万円などで契約されていることもある。

 「次々に契約をしてください。リース料金はうちで負担します」として業者がリース料金を振り込んでくる事例もあるが、その業者は自転車操業をすることになり、そのうちに破たんする。残るのは多額のリース債務である。
 
 そして、一度契約をしてしまうと、裁判所は「リース会社は詐欺により契約をしたことは知らないから、詐欺はリース会社には主張できない」という判断をしてしまうことが多い。

 本当にその契約は必要ですか?
 ハンコを押す前に冷静になって欲しいのです。

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