読書日記「百年の孤独」
中央公論新社。今村翔吾。
直木賞を受賞した作家の新作ハードカバー。
直木賞を受賞した作品も購入したのだが、こちらから読むことにした。
大阪の陣における幸村はその伝説的な活躍ともう一歩のところで家康を討てなかったという悲劇さから、これまで繰り返し作家によって書かれてきた。敵側からも「日ノ本一の兵(つわもの)」と絶賛された。ただし、真田幸村という名前は史料には出て来ず、「真田信繁」が正しいとされる。
近時の研究では幸村は1万9000石を所領しており、秀吉の馬廻り衆であったことが判明している。
そうであれば、関ヶ原の戦いで石田三成側についたことや(縁戚であった)、大阪の陣において厚遇されたことも理解できるところである。
話が横道にそれたが、この作品はこれまでの幸村の描かれ方に対する挑戦である。
幸村が討たれた後、幸村と関わった人物達の物語が描かれ、幸村の真実を描こうとしている。
ただ、私としては、王道の幸村が読みたいので(幸村ファンとしてはそういうものではないかと思うのだがどうであろう)、これは「違うだろう」という思いしかなかった。
なので、私としては低い点数しかつけられないのだが、あくまでこれは私の意見であり、Amazonなどでは好評を博しているようであり、読み手によって判断がかなり別れる一冊であろう。