読書日記「百年の孤独」
私は2回目の司法試験で合格したのだが、1年目、絶対の自信があった刑事訴訟法がFであった。
当時、Fがつくということはそれだけで不合格と言われていた。
私は当時検察官に興味があったので、刑事訴訟法ゼミを取り、ゼミの先生の学説で勉強し、書ききったと思ったのである。
そうしたところ、普通の学説で淡々と書いた商法がAで、確か憲法もAであった。これらは力を入れず素直に書いたのである。
私のゼミの先生は少数説であった。
また、当時刑法にも凝っていて、なかなか合格しない人がよくやるという、「自分で統一的刑法理論を打ち立てる」というのをやろうともしていた。確か刑法もかなり力を入れて書いたが、初年度の成績が悪かった。
これで、合格のためには、正しいと思うことを自分で整理するのではなく、合格する答案を書こうと思ってその方向で勉強をし直したところ、運良く2回で合格した。ゼミの先生の説は申し訳ないが、捨てた(今も教科書は持っています)。
昨日書いた大学受験と同じで、合格するためにはこだわりを捨てないといけないと判断したのである。
実務につくと、学説を書いた時点で負けとも言われていて、裁判所は判例しか基本的には見てくれないので、学説にこだわると、司法試験は合格するかもしれないが、時間がかかるのだろうと今も思っている。