直前の書面提出

中隆志

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 準備書面などの提出期限は期日の1週間前に設定されていることが多い。
 私はできるだけ守るようにしているのだが依頼者の方の確認が遅れて期限が少しだけ徒過することもある。
 しかし、期日前日や期日直前の提出はしないようにしている。
 裁判官も読めないし、相手の弁護士も読めないから、その書面を前提に期日で確認したり意見を述べたりすることができないからである。

 しかしながら、相手の弁護士からは、直前の提出はよくある。
 前日の早い時間であればまだマシだが、そのとき受け取る方の弁護士が出張かもしれない。
 今はPDFにしてメールで送ってもらい、スマホで小さい字を拡大してかろうじて何が書いてあるか確認するくらいはできるが、大量の書面だとそうもいかない。
 前日の遅い時間だと、京都地裁だとまだいいが、他の裁判所だと朝イチの期日なら自宅から直接行くことになる上、事務局が確認するのも当日の朝になってしまう。
 受け取る側の都合を全く考えていないのである。
 裁判官によっては、直前の書面は陳述を許さない人もいる。次回期日に回すのである。私の方に意見を聞いてくる裁判官も多い。
 私が弁護士になった頃は裁判の現場で準備書面が出されることも多かったので、その頃に比べればマシになったともいえるが。。。

 なお、私の経験ではないが、期日の直前にファックスで準備書面が出されており、期日でまた準備書面が出たので、クリーンコピーですね、というと、「いや、ファックスしたのは案なので、こちらの今提出したヤツの方で陳述します。ファックスの方は廃棄しといてください。」と言った弁護士がいたそうである。どこがどう違うのか裁判官がその代理人に確認したが、どこがどう違うのか分からなかったそうである。

 以上です。

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