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コラム
読書日記「ペンギンブックスが選んだ日本の名短編29」
2019年4月24日
新潮社。編者はジェイ・ルービン。
村上春樹の冒頭の解説付きである。村上春樹の短編も2編入っている。
原書は英語版で、まず英訳されている日本の短編から選ばれているということで制約があること、また、編者なりの視点があるので、読む者にとっては、「なんでこれが入っていて、あれが入ってないのか」という気持ちになることもあるだろうとのことである(村上春樹の冒頭の解題による)。
また、原書では収録されていたが、短編というには長すぎるもの、長編の一部であるため厳密には短編でないものは日本語版になる際にカットされている。
そのため、冒頭の解題では触れられているのに収録されていないものもあるので要注意。
個人的には、収録された作品のうち、村上春樹作品を除いて、三島の「憂国」、中上健次の「残りの花」、吉本ばななの「ハチハニー」、円地文子の「二世の縁 拾遺」、小川洋子の「物理の館物語」、川上未映子の「愛の夢とか」、青来有一の「虫」が興味深いか、面白かった。
この作家の中には、こうしたある編者の意図の基に編纂された短編集でもなければ読まなかったであろう作品もあり、たまにはこういうものもよいと思った次第である。
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