依頼している弁護士を断るということ

中隆志

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 過去に、犯罪被害者支援事件で、私が受任するまでに何人かの弁護士を依頼してきて、自らその弁護士を断られてうちに来た方がおられる。
 過去の弁護士がしてきたことを見ていると、「本当に犯罪被害者支援事件がどういうものかわかっているのか?」「どうしてこんな間違った事件処理やアドバイスをしたのか?」ということに出会うこともある。もちろん、弁護士の対応におそらくは問題はなかったが、依頼者との信頼関係が構築できなかったこともあるとも思うので、全てがそうだとは言えないが。

 犯罪被害者支援事件は特殊であり、私にも被害者の方はご不満を抱かれていることもあるであろうが、犯罪被害支援に20年程度関わってきているので、これでもマシな方ではあるだろうと思っている。なので、ここ最近は、その特殊性を知らない弁護士が、犯罪被害支援事件に関ろうとしないで欲しいと思っている。
 刑事事件の被害者参加然り、検察官との折衝然り、民事訴訟の提起然りである。

 依頼している弁護士に「おかしいのでは」と思いながらも、断らないままずるずると進んでいき、途中で私のところに来られる方がおられるとする。しかし、これはお互いにとって不幸でもある。
 私も途中から入るのでより労力がかかるし、天才でも何でもないので、事実を把握するのに不十分な点が出るかもしれない。依頼者の方も同じ話を数回しないといけないから、より労力がかかるからである。場合によってはできることに限りが出てしまうこともある。
 最終的に依頼に来られるのであれば、できるだけ、早い段階で依頼に来て欲しいと思っている今日この頃である。だからといって、できることがあれば、断りませんが。
 もちろん、犯罪被害支援ができる他にもいい弁護士はいるので、いい弁護士にたどりついていただければ、それで十分なのである。

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