第30回全国法曹サッカー大会その5

中隆志

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 大阪1はやる気マンマンである。まず私は左サイドハーフで先発した。
 大阪1の攻撃を跳ね返す京都2のディフェンス陣。
 攻められ続けるが、大阪1は京都2から得点を奪おうと、シュートを万振りして、全てホームランが大きく枠を外している。
 私は12分半で交代したが、今の焦りが見える大阪1なら、カウンターから1点をもぎ取れるかも知れない。
 私は休ませて元気な近藤修習生、フォワードの船坂、福田選手などフレッシュな選手を次々に交代投入した。
 カウンターで攻め上がり、コーナーキックのチャンス。
 コーナーなら、京都2にも背の高い鄭選手たちがいる。チャンスはあるかもしれない。
 そう思った時、コーナーのボールがこぼれてゴール前の混戦。
 これを近藤が押し込み、1-0である。
 京都2はこれまた優勝候補の大阪1からリードを奪うというのは全く慣れていない展開で、みな浮き足立つ。
 ベンチから声をかけて、落ち着くように声を張り上げ、守備に集中しろとゲキを飛ばす。
 時間はあと7分。
 大阪1に焦りが見え、イージーなミスも出てきた。
 船坂選手に到っては、まだ5分あるのにコーナーでボールキープをし出す始末である。ちょっと早いぞ船坂と私が声をかけ、京都2からはどっと笑い声が起こる。こういうところが京都2のいいところである。
 その後、何とか大阪の猛攻を耐えきり、1-0で勝利した。
 ジャイアントキリングである。

 たとえれば、本気のブラジルに日本が勝つようなものである。
 歓喜に沸く京都2。
 勝ち点を6として、何と2位リーグ(5位から8位が確定)に回ることになった。
 これは、他のチームが25分間0-0の引き分けの試合が多く、勝ち点が伸びなかったことなど、運も味方したのである。
 しかし、うれしさ半面、つらさ半面である。
 2位リーグということは、優勝してもおかしくないチームばかりが回ってきているのである。
 つらい2日目が想定され、橋詰裁判官から、「勝ちすぎや」と言われる始末である。

 そして優勝を目指す京都1は、札幌を3-0、東京2のヤングチームを1-0で破り、見事準決勝に進んだのであった。
 
 つづく。

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