電話の作法

中隆志

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 電話というものは相手の都合がわからずかけるものであるため、相手が不在であることも多い。特に弁護士の場合、打合や裁判等で電話をかけても出られないことがある。
 通常の事務員であれば、そのような場合折り返しの電話をいたしましょうか、というであろうし、たいていの場合はそのようにしてもらえばよいと思う。
 
 ただ、電話をした方の用事であったり、御礼であるような場合には、折り返しの電話を求めることは通常失礼にあたる。
 そのような場合には、電話に出られそうな時間帯を聞いて、何度も電話するものである。
 その途中に、電話を何回ももらっていたということで先方から電話がある場合もあるが、その場合は「こちらの用事でこちらからかけないといけないのに申し訳ありません」と恐縮しないといけない。

 先日も向こうの用事で折り返しの電話が欲しいということでメモに記載があったのでかけたが、偶々知っている男であったので、上記の点は注意しておいた。
 注意してくれる場合はいいが、注意してくれないのが通常であり、その場合、常識を知らないとして陰でいわれることがあり(特に京都の場合)、新人弁護士は一応ビジネスマナーとかの本は一通り読んだ方がいいと思うのである。
 事務所に先輩やボスがいる場合はその電話の受け答えを見て勉強できるが、これからはいきなり事務所を構える弁護士も増えていくであろうから、基本的なところで損をするのはバカらしいことなのである。

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