書証への書き込み

中隆志

中隆志

 裁判記録のうち、証拠書類に自分が分かるように書き込みをすることがある。
 証人尋問で示す際には、書き込みがある場合には、「私がラインマーカーで塗ってしまっていますが」とか、「ちょっと書き込みをしていますが」ということでこのような場合、注を述べて示すようにしている。
また、書き込みがあまりに多くなるようなら、コピーをとってそちらに書き込む。あるいは、示す際には原本を示す。相手方の書証であれば、相手から原本を借りたりする。

 先日尋問をしていると、相手の示している書証に、かなり赤字で書き込みがあるのが見えた。私の方が立ち上がり、その書き込みに問題がないか確認しようと席を立った途端に、相手方代理人はその書証を閉じて机の上に戻してしまった。態度がやや慌てて見えたことも事実である。
 まさか証言している本人にカンニングをさせていた訳ではないだろうが、なんとなく釈然としない態度であった。
 李下に冠を正さずという言葉もあり、不公正に見えるような態度を取ってほしくないものである。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中隆志
専門家

中隆志(弁護士)

中隆志法律事務所

 マイベストプロを見られた新規相談の方は初回に限り30分5500円(消費税込)の相談料を無料にしています。依頼者に対して、連絡・報告・相談を密にすることがモットーです。お気軽にお問い合わせ下さい。

中隆志プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼