在りし日の小次郎
全く心当たりがない電話に出てみると、本当に全く見ず知らずの人であることもある。
一番この種の電話で多いのは、弁護士からの電話で、「これこれの事件で先生が詳しいとお聞きしたので、電話しました。簡単にノウハウを教えてもらえませんか?」というものである。
ええかげんにせんかい。
電話で少しくらい話したからといって、簡単に解決できるような事件やったら、自分で調べてせんかい。
で、私も鬼ではないので、一応の説明をし、電話で説明出来るような話ではないというと、「それだったらけっこうです」とやや怒って切る手合いもいる。
資料をくださいとか、訴状をくださいという人もいる。
電話の向こうの弁護士が真摯であったり、事前にメールで大変恐縮して問い合わせがあるような場合には、ある程度対応することもある。
しかし、ここで正直にいうと、生兵法は怪我のものなので、知らない分野で自信がないなら、こちらに全て振ってもらった方がいい。遠方で無理な場合もあるので、その場合は、出来るだけのアドバイスをしてあげたこともある(ひまわり事務所で過疎地域で頑張っている人などの場合であるが)。
経験があり、トレーニングされた弁護士は、中途半端に事件をやって依頼者に迷惑をかけるよりも、その分野の専門家に全て事件を振る。
あるいは、共同受任という形をとって、こちらからノウハウを教えてもらいつつ自分でも勉強する。
電話で適当に回答出来るような簡単な事件であれば、苦労せんわい、といいたいのである。
もちろん、私にも知識があまりない分野の事件はあるので、その場合には知識と経験がある弁護士に振るか、共同受任をしている。