危険な女性運転手

中隆志

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 帰り道に最寄り駅から自転車をこいでいて、大型ショッピングセンターの入り口の前を歩道が走っているところにさしかかった。
 入る自動車用に1車線あり、出て行く自動車用に1車線ある出入り口であった。
 出ようとしている自動車が2台あり、先頭の自動車が、左折で出ようとして、ゆっくりと進んでいた。
 私は1台目と2台目の自動車の間から少し頭を出して、進行しようとした。ただ、こういう時は、たまに無茶な運転をする輩がいたり、自動車の後ろから自転車とか人が出てくることがあるので、少しだけ頭を出して覗いた。

 そうしたところ、ものすごいアクセルを踏み込む音とともに、三台目の自動車が、右側から1台目と2台目の自動車を追い抜いて(要するに、入る自動車の車線にはみ出してきた訳であるが)、ノーブレーキで左折で走り去っていった。運転手は、金髪の知性のかけらもないような若い女性であったが、左折するために、自分の右側から自動車が来ているかどうかしか見ていなかった。しかも普通の道路でいえばセンターラインオーバーをして。
 左側から人が来ていたらどうするつもりだったのだろう。現に私が来ていたのだが。
 私が自動車の合間を抜けて、何の気なしにペダルをこいでいたら、間違いなくノーブレーキの自動車にはねとばされて、下手をしたら死んでいたに違いない。
 そんな目に遭いたくないので、自動車の運転手は信用しないで走ったり歩くことにしているのだが。
 あの知性のかけらもない女性は、いつか人をはねるだろう。大惨事になることもある。
 交通事故の被害者側を数多く受任している身からすると、ああいう人間が多数いるように思えることがある。ほとんどはねてもいいと思って走っていると言われても仕方がないのである。
 ああいう人からも、運転免許を取り上げた方がいいと思うのである。

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