読書日記「百年の孤独」
企業の破産というか、倒産事件の相談を聞いていると、経営者であるにも関わらず、足し算と引き算が出来ていない人が意外に多い。
こういう事件では、まずキャッシュがどれだけ残るかを聞くことが大事である。
たとえば、売上が月400万円ある法人で、粗利が40%とすると、仕入れに240万円かかるということになるから、手元に残るお金は160万円となる。
月にかかる固定経費(賃料や光熱費、リース代等)が150万円、人件費が100万円だとすると、それだけで90万円の赤字である。これに金融機関等への返済が入ると、毎月相当額の赤字が累積していくということになってしまう。
売上の増加が見込めない場合(最近の経済情勢では見込めないであろうが)、粗利が変わらないのであれば、経費を削減するほかないが、たいていの経営者は、漫然と借入をしたり、親族に借入をすることで当座をしのいでしまうのである。
足し算、引き算の問題である。
以前民事再生事件をした時も、売上から経費を差し引くと大幅な赤字であったことがあり、いかに経費を抑えるかを中心に再生計画を練ったものである。
こうした観点から、見直して生き残れる企業はよいが、そうでなければ、身内に迷惑をかける前に一度法的整理をした方がいい場合も多いのである。