読書日記「百年の孤独」
質問する前にちょっと調べたらわかることも多い。調べる能力が落ちているのかもしれないが、若手弁護士はやたら聞いてくる傾向にある。本当の質問というものは、自分で努力して調べて、本に書いていないことや、書いてあるけれど微妙に違うのでこの事案でどう考えればよいのかというぎりぎりのところでするものである。
どの教科書とか参考図書にも書いてあるようなことを、「教えて下さい」とやっていると、そのうち愛想をつかされる。まずは自分の頭で考えてみないと、考える力がつかないのである。特に電話で聞くというのはよほど懇意にしていなければ失礼にあたる。電話は相手の都合を考えない連絡手段だからである。もし聞くなら、懇意にしている人でもメールかFAXにするのがよいであろう。そうすれば、その人があいている時間に読んでもらえるからである。FAXは味気ないという人もいるが、電話が時間の無駄であることも多い(このあたりは超整理法に毒されているところがあるが)。
調べ方を鍛える、学んでいくというのも実務家として必要なことである。
ただ、実は人に聞くというのはまだましな方かもしれない。というのは、事件は放置するわ、事件をやっているけれどやり方が杜撰であるとか、ちょっと調べればわかるのに主張しないとかという弁護士も結構多いからである。そうした弁護士に限って、たいした仕事も出来ていないのに、「自分は出来ている」と勘違いしていたりするのである。
弁護士経験が少なく、事件がどのように進んでいくのかも全くわかっていないくせにわかったような顔をして、やたら偉そうな弁護士は虚勢を張っているようにしか見えない。
逆に先輩の弁護士でも、中身がないにもかかわらず、やたら若手に偉そうにする弁護士もバカにされる。世話になった先輩になら偉そうにされても仕方がないが、世話にもなったことにもないのに、若手に偉そうな口を聞く弁護士はたいていろくな奴ではないのである。
こんな常識のない弁護士も一定数いる状態であることもまた否めないが、多くの弁護士は常識人であり、総じて弁護士は頑張っているのではないかなとも思うが、一部のろくでもない弁護士に依頼した依頼者はほんとうにかわいそうだなあと思うのである。