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コラム

渓流釣り

2010年10月19日

コラムカテゴリ:法律関連


小学校の頃「釣り吉三平」を読んでいると、三平は渓流でイワナを次々と釣り上げて塩焼きで食べている場面がよく出てきた。
 しかし、現実の世界ではイワナやヤマメ、アマゴという渓流魚は乱獲によって一時絶滅の危機に瀕していたので、「幻の魚」となっていた。
 小学生の頃、いつの日か渓流釣りに行ってみたいと思ったものであるが、幻の魚を釣りにいける訳もなく、大阪城や父の故郷である和歌山県の日高川での釣りが私の釣りのメインであった。
 しかし、その後養殖技術が発達して、イワナもヤマメもアマゴも養殖できるようになり、全国の渓流の漁協で鮎と同様に放流が盛んになりたいていの渓流で渓流釣りが出来るようになった。

 大学生の頃は自動車も持っていなかったので、バスで渓流釣りに出かけた。お金もなかったので、渓流の中に立ち込むための「ウェーダー」というものも買えず、長い長靴で行っていた。しかし、長靴では中々渓流の中に立ちこめず、釣れるのはハヤばかりであり、小さい幼魚(10センチくらい)は釣れたが、まともな型は釣れなかった。関西ではアマゴであり、体に赤い斑点があり、ヤマメは斑点がなく、一般的にはヤマメの方が釣りにくいといわれている。
 修習時代に「リバーランズスルーイット」という映画を見てから、余計に渓流に対する思いは強くなった。ちなみに、この映画の原作は、「マクリーンの川」という題名の小説であるが、この小説もまた秀作であるので一読の価値あり、である。

 結局、最初に釣ったまともな型のアマゴは道具をそろえられてからであり、弁護士に成り立ての頃、十津川でのことであった。前に少し書いたが、天川で自動車を転落させ、ブラインドカーブで先を見ていない恐ろしい男N田という高校時代の友達と出かけたのである。
 十津川は成魚を放流するのではなく、卵と幼魚を放流しているということで「ネィティブ」に近いといわれていた。どうせなら、成魚放流(養殖されていたので簡単に釣れる。いわば川が大きい釣り堀となる)よりは、天然に近いものを釣り上げたいと思うのは釣り人であれば誰しも思うであろう。
 現実に十津川に行ってみると、魚影は濃く、魚は見えていてそろそろと近づくのであるが全く釣れない。渓流魚は一般に警戒心が強いのである。
 そうこうしているうちに、N田が釣り上げ、私も釣り上げた。20センチメートル弱の魚体で、その美しさは本当に一見の価値はある。「渓流の女王」といわれるだけのことはある。イワナが蛇のようなぬめぬめした感じに対して(ただし、味はイワナは本当にうまい。塩焼きで日本酒なんか飲めば人生の楽しみこれにきわまるという感じである)、アマゴは本当にほれぼれとする魚体なのである。

 この十津川に行った時は4月くらいであったかと思うが、十津川は標高が高いので寒く、川沿いにある温泉に入って途中体を温めたこともまた想い出である。渓流に沿って、500円程度で入ることが出来る露天風呂があり、冷えた体を温めながら、渓流の流れの音を聞くというのは、日本人ならではの喜びであろう。

 その後はあまり渓流に行く機会はあまりなく、数回釣り上げた程度であるが(ちなみにルアーで30センチほどのアマゴを釣ったこともある)、渓流の景勝の良さといい、温泉が近くにあったりすることといい、アマゴの魚体の美しさといい、釣りをするなら一度は渓流釣りはトライすべきだと思うのである。
 私は源流までは行かないので、イワナは釣り上げたことがなく、是非ともそのうちにイワナを釣りに行きたいと思う今日このごろであるが、日々の仕事と持病に追われ、土日に体力回復しなければならない日々であるので、仕事に余裕を持ち、持病も押さえ込んで念願のイワナを釣り上げる日が早く来て欲しいなあと思うのである。



この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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