手帳について

中隆志

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私の手帳は大阪弁護士会が出している黒色の訟廷日誌の合冊版である。最初に事務所から渡された手帳がこれであったのでこれをずっと使用しているが、事件の当事者を書く欄があり、やはり使いやすい。システム手帳や市販の手帳を使用している弁護士も多いが、私はやはりこれである。後ろに裁判所の管轄のこととか印紙代や税金のことがいろいろ書いている付録もついているのも便利である。これを取り上げられると、次に何をしてよいのかわからないフリーズ状態になる。

 ただ、訟廷日誌は時間順に書けるようにはなっていないので、前後がよく分からなくなったり、予定と予定の間に時間がどれだけあるのかとっとにわからないようになることがある。
 そのため、私は手帳の高橋のフェルテ6という手帳を手控え兼整理用に使っている。事務所が私の予定を写すのもこれである。これは時間が書いてあり、予定を書く時に、時間順で予定が書けるし、次の予定までの空き時間もわかるから頭の整理によい。書き写す際に、「あれやらな」「これやらな」と整理できる。
 最初からこれだけにしてはよいのではないかという説もあるが、訟廷日誌の後ろの付録は捨てがたいし、法廷などでチャチャッと予定を書き込むには、訟廷日誌がやはりすぐれているので2つ使っている。そして、頭を整理しながらこのフェルテの方に、急ぎの書面などの予定を書き込むのである。法廷でチャチャッと予定が書けるとう意味で、私は電子手帳は使うつもりもないし、検討したこともない。迅速性という意味では手帳は手書きである。
 クォバディスという外国の手帳も試したり、超整理手帳も試した。いくつも試してフェルテ6にたどりついた。事務所の手帳もフェルテであり、事務員のM川さんに他の手帳を買って渡したら「書きにくい」といわれた。その手帳は自宅の机の上で予定を書かれることもなく眠っている。年度が過ぎればどうにも利用のしようのない憎い奴、それが手帳である。ふっふっふ。この使われない手帳、お前は何をしに俺に買われたのだ(私が悪いんですが)。
 もし1冊だけで済まそうとしている人がいれば(それが普通か)、このフェルテ6をお勧めする。クォバディスよりもいい。手帳の高橋から別に何ももらっていないですよ。
 また、私は超個性的な字で万年筆を使うのだが、このフェルテはインク滑りなどもよい。もちろん訟廷日誌もインクがにじんだりはなく、ほどよい滑りである。
 なお、チョイ悪親父チョイひげのU・A弁護士はクォバディスを使っている。

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