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小屋裏に侵入しての調査の重要性

松田貞次

松田貞次

テーマ:住宅診断(ホームインスぺクション)


私は基本的に小屋裏には侵入して検査をしています。
既存住宅状況調査では点検口から見るだけです。
小屋裏検査は、中古住宅の隠れた問題を発見し、購入者が安心して取引を進める上で非常に重要です。
点検口から見える範囲だけの調査では見過ごされてしまう多くの問題が実際に小屋裏へ侵入して
調査することで明らかになります。

実際の事例から見る発見事項
弊社で実施している小屋裏侵入検査では、これまでに以下のような事例が実際に確認されています。

① 雨漏り
既存住宅状況調査では点検口から見るだけです。
然しながら、点検口からは見えない梁や柱の接合部、屋根材の裏側などで、
過去の雨漏り跡や現在進行中の雨漏りが発見されることがあります。
雨漏りは構造材の腐食を招き、建物の耐久性を著しく低下させるため、早期発見と補修が不可欠です。
外から見て複雑で、漏りそうな箇所は念入りに検査します。
結構な確率で雨漏りを発見してしまいます。

② 構造材や金物の欠損、瑕疵、施工不良
構造材の割れ、腐食、シロアリ被害: 木材のひび割れや腐朽、またはシロアリによる食害は、建物の耐力を低下させます。
金物の取り付け不良: 柱と梁を固定する金物が適切に取り付けられていない、または不足している場合
地震時の安全性に問題が生じます。

筋かいや合板の未設置、接合不良: 耐震性を確保するために必要な小屋筋かい等が適切に接合されていなかったりする
ケースがあります。

新築でも妻壁に防火の為の耐火ボードが必要な箇所に貼っていないこともありました。

③ 断熱材等の未施工や施工不良
断熱材の不足やズレ: 天井裏に敷き詰められているはずの断熱材が一部欠落していたり
ずれていたりすると、冷暖房効率が低下し、光熱費が増加します。

防湿シートの未施工: 適切な防湿対策がされていないと、結露が発生しやすくなり
カビの発生や木材の腐食につながります。また断熱材の性能を著しく低下させます。
断熱材の施工不良は散見されますので、特に注意が必要です。

一度小屋裏上がったら断熱材が袋のまま数個おかれたままの時もありました
有名なハウスメーカのお家でした。

④ 小動物や蜂等のフンや死骸、ハチの巣等
小動物の侵入と痕跡: ネズミやコウモリ、イタチなどの小動物が侵入し、糞尿による悪臭や衛生問題
配線の損傷を引き起こしていることがあります。

ハチの巣: 古民家や空き家等では大きなスズメバチの巣を発見することも多いです
この場合駆除に専門業者への依頼が必要となります。

これらの事例からもわかるように、小屋裏へ侵入しての詳細な検査は、中古住宅の潜在的なリスクを早期に発見し、購入者が安心して物件を選択するための重要な判断材料となります。

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松田貞次
専門家

松田貞次(建築士)

有限会社マツユウ住宅(一級建築士事務所)

二級建築士、宅地建物取引士、2級施工管理技士、木造耐震診断士、損害保険鑑定人、アスベスト調査員など、さまざまな資格を保有。長年の経験を生かし、公正で丁寧なインスペクションを実施する。

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