REASONS are TREASURES ー根拠を可視化せよー
クレーム対応は、怒っている人を黙らせる仕事ではない。
長年、塾の仕事をしてきた塾ジイは、いつの頃からか、そう思うようになりました。
「どうして、うちの子だけこんな扱いなんですか!」
「先生は、ちゃんと子どもを見てくれているんですか?」
「こんなことでは、受験が心配です!」
お客様相談の仕事をしていると、保護者から厳しい言葉をいただくことがあります。
もちろん、こちらに落ち度がある場合もあります。
そのときは、まず素直に謝らなければなりません。
しかし、長年、こうした声を聞いていると、あることに気づきます。
怒っている親の言葉の奥には、「怒り」だけがあるわけではない。
そこには、
「このままで、うちの子は大丈夫なのだろうか」
「ちゃんと成長してくれるのだろうか」
「受験に失敗したらどうしよう」
という、不安が隠れていることが少なくないのです。
子どものことになると、親は冷静ではいられません。
自分のことなら我慢できる。
少しくらい嫌なことがあっても、「まあ、仕方ないか」で済ませられる。
ところが、我が子のこととなると話は違う。
たった一言の先生の言葉。
模試の成績。
塾でのちょっとした出来事。
そんなものがきっかけになって、不安が一気に膨らんでしまう。
そして、その不安が「怒り」という形になって現れる。
塾ジイは、そんな親御さんをたくさん見てきました。
もちろん、だからといって、何を言ってもいいわけではありません。
理不尽な要求には、毅然と対応する必要があります。
でも、
「困った親だ」と決めつける前に、「この人は何をそんなに心配しているんだろう
」と考えてみる。
それだけで、見えてくるものが変わることがあります。
クレーム対応という仕事をしていると、相手の「言葉」だけを聞いてはいけない
と感じます。
言葉の奥にある「気持ち」を聞かなければならない。
そして、それは塾の先生と保護者の関係だけではありません。
人と人との関係なら、どこにでも当てはまるのではないでしょうか。
怒っている人。
不満を言っている人。
文句を言っている人。
その人は、本当に「怒りたい」のでしょうか。
もしかすると、その奥には、
「分かってほしい」
という気持ちがあるのかもしれません。
子どもを思う親の気持ちは、ときに面倒な形で表れます。
でも、その根っこにあるのは、
「この子に幸せになってほしい」
という、いたって単純な願いなのかもしれません。
塾ジイは、今日もそんなことを、ぼんやり考えています。
さて、次回は、
「『勉強しなさい!』で、本当に子どもは勉強するのか?」
について、塾ジイが少しだけつぶやいてみようと思います。


