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英語学習のサーフボード

2022年7月20日 公開 / 2022年10月28日更新

テーマ:得点力アップ

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 勉強法 おすすめ英語 発音中学英語 勉強法

変化の荒波に乗る方法


こんにちは!お元気でお過ごしですか。

7月も下旬に差し掛かり、早いもので学校はもう夏休みですね。天候不順の日が多いですがお子様のご様子は如何でしょうか。

私は学習塾で永く中学生に英語を指導してまいりました。今でも学生さんや親御さんから英語の勉強方法に関して相談を受けることが多々あります。そこで今回は、英語の学習方法について考えてみます。

今、日本の英語教育は大きな過渡期を迎えています。2020年度より小学校で「新指導要領」による授業が全面実施され、その後中学・高校に順次導入された後、遂に2024年度の大学入試(2025年1月実施)より、新学習指導要領に準拠した入試が開始されます。

外国語教育は国民ひとりひとりの人生に大きな影響を与えることは言うに及ばず、国の方向性をも左右します。その観点からも今回の改正は日本の教育制度のみならず、国家戦略の大改革と言っても過言ではありません。おそらく文部科学省は「何が何でも成功させる!」という強い気概で臨んでいることでしょう。

この改正により学校の教科書内容や授業方法は一変しました。昔のような「読み」「書き」中心の平面的な指導に止まらず、いわゆる“英語4技能(「聞く」「読む」「書く」「話す」)”をバランス良く身につけるための多角的なカリキュラムが策定されました。

この影響を受け、近年の英語の入試では“聞く”“話す”能力を試す問題の割合が高まり「知識の量より運用力を測る」傾向が強まっています。

このような変化の渦中にある英語という“教科”にどう向き合えば良いのでしょうか。

確かに旧来の学習方法にアップデートが必要であることは拒めません。知識(単語や文法)の吸収(インプット)にとどまらず、その排出(アウトプット)を意識した学習を取り入れること。具体的には、テキストの単語や文を使う環境(会話やプレゼン)が大きな鍵となります。指導者のスキルが今まで以上に要求される時代になったと言えるでしょう。

では、これまで有効とされてきた旧来の学習方法は通用しなくなったのでしょうか。

答えは“NO”です。

私の経験上自信を持って言えるのは「英語教育の変化の荒波に乗るためのサーフボードは“音読”による自主トレーニングである」ということです。

「はっ?なんだ…そんなこと?」と思われる方もおられるでしょう。英語学習における音読の重要性はずっと以前から、それこそ私が中高生であった1980年代にはすでに言われていました(翻訳家でニュースキャスターだった故國広正雄さんも音読の効果や重要性を強く提唱されていました)。時代が変わり、教育体系が大きく変化した今、「そんなやり方が通用するのか?」と問われれば、答えは、“ゼッタイにYES”です!英語上達の第一歩は音読であると私は今でも確信しています。

英語が苦手なお子さんは、「英文が読めない」ことが多いです。いやむしろ「文字が読めない」と言った方が正確かもしれません。昔は【ローマ字が読めない→英語もわからない】という“英語アレルギーへの定番コース”がありました。実は私も中学2年生までその道を歩んでいました。

学校の授業は、先生が提示した英文を生徒が「読める」のを前提に説明されます。中学生1年生の私は、どう読むのかわからない“暗号”の構造をいくら説明されても「ぴんとこない」という状態でした。最初の定期テストの点数が100点満点中22点・通知表の評価が2(五段階評価)であったのを今でも鮮明に覚えています。まあ、英語だけが悪かったのではなく、他の教科も似たり寄ったりだったのですが…

そんな私が英語を得意科目にすることができたのは、NHKラジオの「基礎英語」のおかげです(正確には「続基礎英語」)。当時は月曜~土曜の一日20分で大半が発音練習という至ってシンプルなものでした。不思議なことに毎日ラジオ講座で音読しているうちに、チンプンカンプンだった学校の授業が少しずつ頭に入ってくるようになったのです。

この変化は、ラジオ講座受講による学習時間の確保が功を奏したのは言うまでもないですが、それ以上に【音読のトレーニングが文法理解やリーディング・ライティングのスキル向上への基礎体力を養成できた】のではないかと考えています。

音読したからと言って即座に英語がわかるようになるものではありません。私も成果を実感するまでに3か月程かかりました。しかし、わからなくても継続して取り組めば、必ず【だんだんわかるようになる】のです。その観点でNHKのラジオ講座はかなりおススメです(NHKテレビの朝の連ドラ〈カムカムエブリバディ〉で注目されましたので世間の注目度はあがっていますね)。私はNHKの回し者ではありませんが、実体験を踏まえてラジオ講座の効果はかなりあると断言できます。更に英文を自力である程度読めるようになれば、学校の教科書を音読する自主トレもできるようになり、理解への好循環が生まれることも経験しています。

最近のNHK(テレビ・ラジオ)の英語講座は昔に比べ学年・レベルによって細分化され、より利用しやすくなっています。テキストは書籍・タブレット端末用のデータが販売されています。この夏休みお子さまと視聴されては如何でしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。
蒸し暑い日が続きますがお元気でお過ごしください!

それではまたお会いしましょう。

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この記事を書いたプロ

久保克己

子どもの受験で悩む保護者にアドバイスする教育相談のプロ

久保克己(株式会社京進)

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