塾講師歴20年のプロが語る、小6受験生をお持ちの保護者の方へ 中学入試本番直前ポイント その2「受験直前期間の過ごし方」
先日、受験生をお持ちのお母様から「子どもは今、とても頑張って勉強しているので、受験直前1ヵ月は勉強のペースを緩めて気持ちに余裕を持たせたいと思っているが、どうでしょうか?」とご相談を受けました。
受験直前に勉強のペースを緩める事はお勧めしません。確実に得点力の低下を招きます。それに、受験直前に復習した事は鮮明な記憶のまま受験まで持っていく事が出来ます。
大切な事は、いままで積み重ねて来た勉強のペースを受験まで緩めない事、追い込みのために勉強ペースを上げる事はあっても良いでしょうが、ペースを下げる事は決してしない事、睡眠不足にならないよう気をつけて体調管理をしっかりしながら受験まで走りきる事だと思います。
「合格確実」と言われていた生徒が不合格になる原因は、受験当日の体調不良を別とすると、一つは過度の緊張、もう一つは受験直前に勉強ペースを緩めた事です。
過度の緊張について、受験当日、ひきつったような暗い顔をして受験場に来る受験生がいます。本番のテストに向かった時、手が震えてまともに字が書けなかった生徒もいます。そのような生徒は「合格確実」と言われていても、良い結果が出ません。生徒が過度に緊張しないよう、家庭の雰囲気を出来るだけ明るく、お子様と出来るだけコミュニケーションをとってあげていただきたいと思います。その際、受験直前期に冗談でも「失敗は許さないぞ」などのようなプレッシャーを与えるような事はおっしゃらないように気を付けていただきたいと思います。お子様が受験の不安を訴えて来たなら「お母さん、お父さんは何があってもあなたの味方だ」くらいの事を言ってあげても良いでしょう。
受験直前に勉強ペースを緩める事について、得点力が下がるとともに、受験生本人は勉強ペースを緩めながら「本当にこれで良いのか?」「まだやりきっていない内容があるのに大丈夫か?もっとやらなきゃいけないんじゃないか?」と内心、不安で焦っているのです。得点力の面からも、精神面からも良くありません。心に余裕を持つために勉強ペースを緩めながら、心のなかで葛藤と焦りが生まれてしまいます。その状態で1ヵ月も過ごせば、得点力は一気に下がります。
元気な生徒は受験に強いものです。元気と言っても走り回るわけではありません。自分の努力を信じ、受験当日まで努力を続けて合格するぞ、と強い意思を持っている生徒です。模試での合格可能性を逆転して合格するのもそのような生徒です。受験生だけでなく、家族で前向きに、合格の意思を強く持って、元気に受験に臨んでいただきたいと思います。
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