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ずっと勉強を続けるには

久保克己

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テーマ:我が子を伸ばす親の関わり方

「燃え尽き症候群」という言葉があります。頑張って難関中学に合格したのに、入学してから勉強がうまくいかず、授業についていけなくなる。そのまま成績が向上せず大学入試で失敗する。難関高校に合格した場合も同様の事があります。途中でリタイアする場合もあります。大学でも同様の事が起きる時があります。子どもたちには、中学でも高校でも、大学でも社会人になっても、勉強を続ける事ができる人になって欲しいと思います。

では、どういう人が勉強を続ける事が出来て、どういう人が続けられなくなるのでしょう。
要件は2点あると思います。
1つは、勉強を楽しいと思っている事、もう一つは、成功体験です。

大人からダメ出しを続けられ、強制的に勉強させられた場合、子どもにとって勉強とは「つらく、苦しく、嫌なもの」になります。強制力という重しが外れたあとは、「つらく、苦しく、嫌な」勉強は二度としたくないでしょう。

英語教育で考えていただければイメージが湧きやすいと思います。幼いころから楽しく英語を学んだ子どもは、英語が好きになります。英語が好きになれば、自分から英語を学び、使い始めます。そうなれば、大学でも社会人になっても英語の練習を続ける事が出来るでしょう。

受験勉強そのものは、多くの子どもにとって楽しいものではないでしょう。しかし、勉強している努力を大人が認め、子どもが努力して出来るようになった事を褒め続けてあげれば、苦しい受験勉強も楽しくなります。なぜなら、子どもにとって、親に認められ、褒められる事は何よも嬉しい事だからです。
成功体験も同様です。子どもにとっての成功体験とは、結果として成功する事だけではないと思います。親から認められる事、褒められる事が、子どもにとっての努力の成果であり、成功体験なのです。
努力していてもいつもテストがうまくいくわけではありません。うまくいかなかった時にダメ出しをされるのと、結果にこだわらず、テストに向けて努力した事を褒めてあげるのでは、子どもにとっては大きな違いになるでしょう。

円の一部が欠けている図形を見せると人は、欠けている部分にすぐに目が行きます。気をつけてよく見ないと、欠けていない部分にはなかなか目が行きません。これは人に対しても同じです。相手をよく見ないと相手の良い所、褒める所は見えてこないのです。お子様がテストで失点した箇所はすぐに目にとまります。お子様の努力をよく見てあげていただきたいと思います。子どもは自分が失敗した事やテストで失点した事は何も言わなくてもショックなのです。それにかぶせてダメ出しをする必要はないと思います。ケアレスミスで失点していたのなら、ダメ出しをするのではなく、ケアレスミスを減らすにはどうすれば良いか、お子様と一緒に考えてあげれば良いのです。すぐに成果は出ません。何度か一緒に考えて、テストでケアレスミスが少しでも減ったなら、本気で褒めてあげましょう。

「人は認められるほど、ストイックになる」という言葉があります。
親に、努力をよく見てもらい、褒めて貰った子どもはそれが成功体験になり、大人になっても努力や勉強を続ける事ができる人になるでしょう。ダメ出しばかりされた子どもは、たとえ受験で合格したとしても、その後の努力や勉強を続ける気力が出てこないかも知れません。心が嫌がっている事を頑張る事はとても難しい事です。

ずっと努力を続け、学び続ける事が出来る大人になれるよう、お子様を指導していただければと思います。

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久保克己(塾講師)

株式会社京進

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