褒める指導
新年度からお子様の通塾をお考えのお母様、お父様もいらっしゃると思います。先日、お子様が新中学1年で塾選びをしておられるお母様から、集団指導と個別指導の違いについてご質問を受けました。
2015年に書かせて頂いたコラムに「集団指導と個別指導」がございます。今回は、そのコラムを中学生のお子様をお持ちの保護者様向けに一部編集して掲載したいと思います。塾選びの一助にして頂ければと思います。
今回は私が所属している京進を例にとって集団指導(クラス指導)の形態と特徴、メリットと注意点についてお話します。
【集団指導(クラス指導)】
<形態>
教室にてクラス単位で指導します。クラス人数についてはまちまちです。1クラス10名前後の場合もありますし、多い場合は20名を超える場合もあります。クラスは概ね、入室時の学力診断テスト(入室テスト)によって決まります。学力診断テスト(入室テスト)には入室基準があります。入室基準をクリアすれば、学力別にクラス編成をします。入室後、学力などを判断してクラス移動をする事もあります。(校舎や学年によっては1クラスで実施している場合もあります)
<特徴>
クラスによってあらかじめ使用する教材、カリキュラム、授業曜日、授業時間が決まっています。決められた教材・カリキュラムで授業を進めます。カリキュラムは公立中学の先取りをする場合が多いです。テストが多いのも特徴です。1週間ごとの確認テスト、2~3ヶ月ごとのまとめテストなど、かなりの回数のテストを実施します。テスト実施後には偏差値や順位が出ます。生徒さんはテストに向けて勉強する事で力をつけ、テスト受験後に間違えた所を復習する事で弱点克服になり、得点力をアップする事が出来ます。
<集団指導のメリット>
①クラスの友人達と切磋琢磨して得点力を伸ばす事が出来ること。
勉強は一人でするものですが、同時に良いライバル達と競争し、あるいは分からない所を教えあう事もやる気アップ、得点力アップにつながります。「苦しい時も友人達と励ましあいながら乗り越えた」という生徒の声も聞きます。集団指導の大きなメリットと言えるでしょう。
②テストが多いので都度、自分の弱点が分かり、テストの間違いを復習する事で弱点克服が可能な事。
京進では、週実テストと呼ばれる毎週の確認テストや2~3ヶ月ごとに行われる統一テストと呼ばれるまとめテストなどがあります。テストに向けて勉強する事で得点力アップを図り、間違えた所を復習する事で弱点克服が出来ます。
③学校の先取りをする事で学校の勉強が復習になり、知識の定着が確実になる事。
京進の集団指導は概ね、学校の授業より少し早い進度で先取り学習をします。塾で習った事を再度、学校で習う事で知識の定着を図る事が出来ます。
④選ばれた教材、整備されたカリキュラムをしっかりこなしていけば力をつけることが出来るシステムがある事。
受験を目指す上で、時には自分のペース以上に少し無理をしてでも勉強しなければならない時があります。集団指導では決まった教材、決まったカリキュラムがあります。「頑張って塾の勉強について行く事で、自分ひとりでは出来なかった勉強が出来た」という生徒の声も聞きます。
<集団指導を受けるにあたっての注意点>
1.集団指導なので、しっかり授業を聞く、自主的に宿題や復習をする、などをしないとただ通っているだけになる可能性があります。もちろん、塾では必要に応じて宿題チェックや理解度を確認するための発問を行いますが、あくまで集団指導の中での取り組みであることをご理解ください。
2.テストが多いので、毎回の点数のアップダウンや友人との優劣を気にしすぎると通塾が精神的につらくなる場合があります。テストは得点力アップのためのツールです。テストに向けて勉強する、間違えた所をやり直す、というサイクルを回して欲しいと思います。また得点については、毎回のアップダウンで一喜一憂しない事です。思うように得点が取れなければ間違えた箇所を復習した上で「次こそ頑張るぞ」と、前向きに考えて欲しいと思います。
3.原則として個人補習はしません。しっかり授業を聞いて自主的に宿題・復習をすれば理解出来る、という事が前提です。「成績が伸びないから」「分からなかったから」「授業中にしっかり聞いていなかったから」個人補習して欲しい、というご要望には原則としてお応えしません。また、「あの先生と相性が悪いから先生を変えて欲しい」というご要望も集団指導では原則として受け付ける事はありません。
4.授業を休んだ場合は原則として振替授業はしません。授業を休んだ場合は自分で休んだ部分を勉強してもらう事になります。何より、決まった時間割できっちり通っていただく事を大前提にしています。
集団指導で伸びるためには、集中して授業を聞き、自主的に復習、宿題をして、成績のアップダウンも前向きに考えて、授業は極力休まず、休んだ場合は自主的に抜けた部分を勉強することが要求されます。
これだけ書くと大変そうに感じますが、生活サイクルや勉強のペースが出来てきたら、当たり前の事のようにこなしていく事が出来ます。これを当たり前にこなしていく事が出来るようになれば、一人で勉強していたのでは難しかったほどの学力アップが望めるでしょう。
次回は個別指導についてお話したいと思います。
京進
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