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数学の苦手な中学生をお持ちの保護者様へ 第2回

2015年6月19日 公開 / 2015年6月22日更新

テーマ:苦手な数学克服(中学生)

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 数学 勉強法

数学の苦手な中学生をお持ちの保護者様へ 第2回

前回は、中学1年で習う「速さの方程式」を取り上げました。今回は引き続き「速さの方程式」でもうひとつの代表的なパターンを取り上げたいと思います。

【問題】
午前8時に妹が徒歩で家から3km離れた学校に向かって出発しました。妹が出発してから10分後に姉が妹の忘れ物に気づいて自転車で家を出発して妹を追いかけました。姉の速さを分速100m、妹の歩く早さを分速60mとします。姉が出発してから何分後に姉は妹に追いつくでしょうか。

【一般的な解き方】
姉が出発してからx分後に妹に追いつくとします。
妹が歩いた時間は(10+x)分だから
60(10+x)=100x
x=15
答 15分後

テキストや参考書には上記のような解き方が書いてあると思います。しかし、なんとなく腑に落ちていない生徒が多いのもこのパターンです。
生徒からこんな声を聞いた事があります。
・え?速さの方程式って、分数になるんじゃないの?(前回紹介したパターンと混同しています)
・10+xってよく分からない。(時間の感覚がつかみにくい)

お子様がこのパターンの問題で、「解説を見たけどよく分からないから教えて欲しい」とおっしゃった場合は、図をかいた上で、出来るだけ噛み砕いて説明してあげてください。

ポイント1
図を描いてみる。図を描くときは、線の上に距離、線の下に速さと時間を書く。隣同士は掛け算、線を挟んで上下にあるときは分数。
ポイント2
実際に進んだ距離を示しながら説明する。

図は下記のようになります。

図1:お姉さんが出発した時



図2:お姉さんが妹に追いついた時



【説明例】
まず図1を見てみよう。
お姉さんが出発するまでに妹が歩いた時間は、10分だよね。
分速60mで10分歩いて進む距離は、速さ×時間で隣同士は掛け算だから60×10=600m進むよね。これが上の図の600mだよ。600mは距離だから妹の矢印の上だね。
次に図2を見てみよう
お姉さんが出発しても妹は歩き続けているよね。お姉さんが追いつくまでにx分歩いているね。x分で妹が進む距離は、速さ×時間で隣同士は掛け算だから60×xで60xmだね。これが上の図の60xmだね。60xmも距離だから妹の矢印の上だね。
お姉さんは妹に追いつくまでに分速100mでx分進むから、進んだ距離は、隣同士は掛け算だから100xmだね。これが上の図の100xmだね。100xmも距離だからお姉さんの矢印の上だね。
方程式は等しいものを=で結ぶから、上の図で等しいものは妹の進んだ距離とお姉さんの進んだ距離だね。だから600+60x=100xになるね。
解説にのっている60(10+x)=100xのかっこを外してごらん。同じ式になるね。
つまり、今説明した事を妹が歩いた時間に注目して式にすると解説の式になるわけで、結局同じ事を言ってるんだね。
理解できたら、これからは解説のパターンで式を立てるといいよ。


お子様が数学で躓いている場合、説明する方が短気にならず、噛み砕いて理解を促してあげて欲しいと思います。一度理解できると後は楽に解く事が出来るようになります。

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この記事を書いたプロ

久保克己

子どもの受験で悩む保護者にアドバイスする教育相談のプロ

久保克己(株式会社京進)

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