「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
夏休みも後半になりました。
まだまだ暑い日が続いていますが、お子様のご様子はいかがでしょうか。
そろそろ夏の疲れが出てくる頃ですので、体調管理に気をつけてあげて頂きたいと思います。
本日は、「勉強しても疲れるばかりで、なかなか記憶が定着しない」という悩みを持っておられる方に、効率のよい勉強方法をご紹介したいと思います。
少し前の事になりますが、日本経済新聞に次のような記事が掲載されていました。
「理化学研究所は、運動の記憶が脳の中で定着していく仕組みの一端を解明した。休憩を挟みながら繰り返し学習すると、脳の神経細胞でたんぱく質が作られ、一時的な記憶が、長続きする記憶に変わることをマウスで確認した。記憶の仕組みの解明につながる成果。15日、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(電子版)に掲載される。」(日経新聞6月15日夕刊参照)
実験によると、短時間で一気に学習した事と、休憩を取りながら繰り返し学習した事では、脳の中で記憶が作られる部分が違ってくるそうです。
あくまでマウスの実験ですが、短時間で一気に学習した記憶は消えやすく、休憩を取りながら繰り返し学習した記憶は「長持ち」する、という事が実験の結果判明したそうです。
私ごとで思い返してみると、テスト前日に睡眠時間を削って「一夜漬け」で覚えた知識は、テスト終了とともに、まるで水が蒸発するように消えていったものでした。
この記事に基づいて考えると、一夜漬けの知識が蒸発していった理由は「繰り返し復習しなかったからだ」と言えるようです。
では、皆さま方のお子様の勉強方法は如何でしょう。
子どもたちは「知らない事を覚える」のは大好きですが、「復習」を嫌う傾向があります。
「そんな事、前に覚えたし・・・」「その単元はもう、やったし・・・」
このようなことを言いながら復習をないがしろにして、記憶が薄れ、いざテストの時に「これ、勉強したけど、どうやって解くのか忘れてしまった!」という事が起こってしまいがちです。
では、どうすれば「復習」するようになるか?
先ほど、「多くの子どもは復習を嫌う」と申しましたが、同時に、多くの子どもは「自分が出来る事を親に見てもらう」事が大好きです。
お母様、お父様は、お子様が復習問題に取り組んでいるときに、テストの結果を一緒に見てあげてください。そして問題に正解している箇所は、思いっきり誉めてあげてください。
お子様は、「誉められた」ことが嬉しくて、忘れていたところは一所懸命復習し、自分が「解ける」「出来る」という事をお母様、お父様に見せようとするでしょう。
その気持ちがお子様の「復習」嫌いを和らげ、お子様の知識の定着に繋がっていきます。
親が子に喜びを与えながら「復習の大切さ」を教えてあげることで、次第に、自分から復習をするようになっていくはずです。
夏休の宿題も終盤に差し掛かっている中、一度お試しいただければと思います。