心音調律的な社会生活⑤

心音調律社会とは何か|外の規範と内なる心音律で調う社会へ
人間は、社会において妥当な営為を顕し、同時に関わる人々の心身に調和をもたらすために、
習慣・道徳律・規定律・法律に沿って生活しています。
これは社会を成り立たせるうえで、欠かすことのできない基盤です。
しかしながら——
それらの外的な規範だけで、私たちは本当に円満で快適に生きられているでしょうか。
規範を守っていても、
どこか息苦しい
人間関係がぎこちない
自分の内側が整っていない
そう感じることは、決して少なくありません。
なぜなら、そこにはもう一つの“律”が必要だからです。
それが、心音律です。
心音律とは、人間の心音を基調とし、
心音を意識することによって、自らの煩悩を自律していく在り方をいいます。
ここでいう煩悩とは、単なる欲望にとどまりません。
軽症の躁鬱や神経症のような揺らぎ、
衝動や不安、葛藤といった、人間の内面に起こるさまざまな動きも含まれます。
それらを抑え込むのではなく、
心音に立ち返ることによって調えていく。
この内なる調律があってはじめて、
外の規範は無理なく、円満に生きられるものになります。
すなわち、
習慣・道徳律・規定律・法律といった外の規範
心音律という内なる調律
この二つが重なり合ってはじめて、
人は自然に社会と調和しはじめます。
私は、この在り方を基調とする社会を、
心音調律社会と呼びます。
それは、規範によって縛られる社会ではなく、
一人ひとりの内側が調律されることによって、
静かに調和が立ち現れてくる社会です。
これから数回にわたり、
心音律とは何か
なぜ外的規範だけでは不十分なのか
煩悩の自律とはどういうことか
といった点を、順を追ってお話ししていきます。
もしよろしければ、
ご自身の心音にも、少し耳を澄ませてみてください。
そこには、まだ言葉にならない“調い”の兆しが、
すでに響いているかもしれません。



