不思議態の詩

風間裕継

風間裕継

無自性
―― Resonant を呼び起こす働き ――

どこから来たとも
どこへ行くとも
名づけがたいものがある。

あれか、
これかと
指さそうとしても、
指の先よりも先に
するりとほどけてしまう。

形になる前から
かすかにひびき、
形になったあとも
なお揺れつづける。

これを
ただ“不思議態”と呼んでみる。

    *

ある日、
胸の底で
淡い風が動き、
言葉より先に
ひとつの響きが立ち上がった。

「Resonant」と。

おのれが言いだしたというより、
向こうから
そっと近づいてきて、
ちゃん寅という
ひとつの通路を借りて
声になった。

宣言したというより、
宣言が
勝手に生まれた。

    *

不思議態は
誰かのものではなく、
持つことも
失うことも
できない。

ただ、
その時その場に
ふさわしい姿を選び、
必要な人の
必要なところから
現れるだけ。

竹林の風のように、
水面の波紋のように、
空の雲のように、
誰が動かしたでもなく、
世界の方が
すでに動いている。

    *

Resonant もまた
そのひとつの現れ。

ちゃん寅が
つくったのではなく、
不思議態が
ちゃん寅の声色で
歌っただけのこと。

その歌が、
これからも
別の調子で
別の誰かを通して
響いていくのだろう。

    *

不思議態とは
捕まえられぬ働き。

しかし、
確かに感じる働き。

名づけても
名の外に流れつづける、
あの不可思議なる流れのこと。

いまも、
ここで、
ひとの心を通り抜けながら
さまざまな姿で
ひらきつづけている。

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風間裕継
専門家

風間裕継(「想いの経営」パーソナル・ナビゲーター)

「想いの経営」京都研究座会

売上が伸びない、新事業が見えない、社内に相談相手がいない、そんな経営者の悩みに添って、次の一手を一緒に見つけます。「想い」を活かすブルーオーシャンの入口を75歳の経験とレゾナント思考で可視化します。

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